生きたい!!!!!

時間は一定ではない。
主観的なものである。
一度没入してしまえば時間など消滅するのである。
私はそのコツを掴むのに時間がかかっている。
気持ちとうまく波長を合わせて、ある物事に取り掛かる必要があるからだ。
今日、朝起きたら虚無の谷底にいた。
あらゆる不安と焦燥と絶望とが頭を渦巻き、それによって誘発される涙をも、押し込める始末。
泣くという行為はみっともないではないか。
私は何年も前から涙に頼ってばかりいるのだから尚いっそうそう思わずにいられぬ。
だから、時間の忘却こそが救いだ。
私は涙を半ば軽蔑しながら堪えて、時間の忘却を求め、知的冒険への没入へと向かった。
それは山登りと似ている。最初の急斜面に立ち向かう勇気、そして歩み続ける忍耐、その苦しい道のりを諦めようと思う誘惑から目を逸らさなければならぬ。しかしそれを乗り越えれば、頂から美しい景色が望めるのだ。
私の心臓は鼓動を始め、私の言葉がノートに描き殴られていく。
一種の恍惚、興奮状態になる。
私がこうして生きている意味、それがいやおうなしに全肯定される時。
自分の生が限りなく接近する時。

私の敵はずっと前から、虚無であったのだ。

私の隣に常にある、底の見えない虚無の谷。
野心や情熱を削ぎ落とす悪魔の囁きが谷底から響いてくる。

自分の心惹かれるものは全て、谷の闇からどうにか這い上がるための、試行錯誤の軌跡だったのだ。

何かを愛し続ける、信じ続ける、作り続ける、守り続ける。
それらはちりのように儚くて、脆いものであるかもしれないが、人はそうやってしか真の意味で生きることができないのかもしれない。

死人同然の私はどうにか生きなければいけない。



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