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シニア向け分譲マンション 向いている人、向いていない人の特徴

最近
「シニア向け分譲マンションはどうですか?」
「シニア向け分譲マンションのことを
教えてほしい」などご質問をいただくことが
増えてきました。
シニア向け分譲マンションの件数はまだまだ
少ないのですが、テレビや新聞広告などで
目にする機会が増えてきて、
シニア世代のみなさんが気になっているのも、
うなずけます。

シニア向け分譲マンションが
どういうものなのか、
購入する際に気をつけることは何なのかを
ご説明します。

シニア向け分譲マンションとは

シニア向け分譲マンションとは、
シニアが暮らしやすいように配慮された
サービスや設備が充実している
分譲マンションのことです。
全国で約100物件(約15,000戸)あります。

3つの特徴

①元気なシニアが楽しめる設備

レストラン、シアタールームや図書室、
温泉、ジムなどの設備が備わっていて
サークルやクラブ活動、イベントも
充実しています。

また、緊急通報システムが設置されていて
急病時には救急車の手配などをしてくれます。

設備が充実している分、管理費は
一般的な分譲マンションより高額です。

②所有権

老人ホームと違い、購入すると
「所有権」を得て資産になります。
よって、売却、相続することもできます。
購入価格は数千万~数億円で、
地域やサービス内容、専有面積などで
差があります。

③要介護度や認知症の症状が重症化すると住み続けるのが難しい

基本的に元気なシニア向け住宅なので、
マンション内に介護員は配属されていません。
介護が必要になったら、外部の介護事業所と
契約して、介護サービスを受けます。

決まった時間に決まったサービスを受けるので、
「今すぐトイレに連れて行ってほしい」といった
急な依頼は難しいでしょう。

私が懸念する点

①売却時の市場が確立されていない

シニア向け分譲マンションの歴史は浅く、
戸数が少ないため、売却時の市場が未成熟です。
資産価値が不透明で、売却時に目安となる
価格相場がわかりにくいのが現状です。

②介護

パンフレットや広告に
「ずっと住み続けられる」
「介護も安心」などの言葉があっても、
基本的には元気な人向けの住まいです。
「安心」とは何を意味しているのか
しっかりと調べてから選ぶ必要があります。

③月額費用(管理費、修繕積立金など)

一般的な分譲マンションの管理費より
高めの設定をしている場合が多く、
毎月10~20万円程度が必要です。
また、介護が必要になり老人ホームに転居して、
空き家になったとしても、月額費用は
かかり続けます。

シニア向け分譲マンションに向いている人の特徴

①コミュニケーションが好きな人

マンション内に友人がほしい人には、
嬉しい工夫がたくさんあります。
サークル活動や旅行などを通して
新しい世界が広がるかもしれません。

②老後資金に余裕がある人

シニア向け分譲マンションにかかる
具体的な費用の内訳としては、
以下のようなものがあります。
・物件の購入費
・管理費
・修繕積立費
・固定資産税
・都市計画税
・見守りやコンシェルジュなどのサービス料
・サークルやクラブ活動にかかる実費
・食費(併設のレストラン)

その他にも、マンション内で友人ができた場合
交際費もかかるでしょう。
老後資金に余裕がないと、せっかくの
サービスやお付き合いも楽しめなくなります。

③おいしい食事を楽しみたい人

館内にレストランがあるので、
食事を作る必要がなくなります。
メニューや味付けに自信のある
シニア向け分譲マンションが多い
ので
試食会に参加してみるのも良いでしょう。

シニア向け分譲マンションに向いていない人の特徴

①将来の介護が心配な人

介護サービスの充実度を重視するのであれば
やはり老人ホームが良いでしょう。
介護度が上がった時に、転居先を探すことが
どれほど大変なことか、想像がつくと思います。

②将来シニア向け分譲マンションを売却して、老人ホームの費用にしようと考えている人

前述のとおり、市場が小さく歴史が浅いので、
売却時の相場がわかりにくいです。
想定より安値でしか売れないことも
あるでしょう。
そもそも買い手が見つかる保証もありません。

③子どもに残す資産になると考えている人

シニア向け分譲マンションは、入居者の
年齢制限を設けているところがあり、
相続したお子さんがその年齢に達するまで
住めない場合があります。
賃貸として貸せない時には、
誰も住んでいなくても、ランニングコストは
発生してしまいます。

購入前に、熟考を

設備やサービスが充実している
シニア向け分譲マンションですが、
価格や維持費が高額です。
また、元気な人を想定しているため、
本格的な介護サービスを求める人には
向いていません。

購入前にご自身の健康状態、
希望するサービス、
マンションの処分方法などを
よく考えることをお勧めします。

最後まで読んでいただきまして
ありがとうございます。

はる社会福祉士事務所
佐々木 さやか





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