晩秋の山道にて 8 ちくわ会長 2018年11月5日 12:25 若い頃死別した前妻の墓参りに行く晩秋の山道。葛折りの道を何度も上がった中間あたりが少し開けていて、寂しげなお坊さんがいらっしゃる。 これから向かう大きな墓苑を造成した時分、芸術好き市長の発案で、市内いたる所に置いた野外彫刻作品群。「托鉢」と題されているこの作品。お坊さんの持つ鉢には何か乗っている。 ドングリがふたつ。 「ああ、いいな、こんな風景」私はつぶやく。 横に敷き詰められた落ち葉の絨毯の上に座ると、すでに横には妻がいて、こちらを向きニコリと微笑んでいるのである。 #日記 #エッセイ #コラム #晩秋 #野外彫刻 8