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日本近代文学

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おまえ は もう 静か な 部屋 に 帰る が よい。 煥発 する 都会 の 夜々 の 燈火 を 後 に、 おまえ は もう、 郊外 の 道 を 辿る が よい。 そして …
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2024年1月の記事一覧

太宰治の手紙を読む 1

太宰治の手紙を読む 1

これから私は、数年前に発見された太宰治の手紙2通を読みつつ、我が座右の銘ならぬ座右の書、猪瀬直樹「ピカレスク」、その第5章「第4の事件」冒頭あたり、第2回と第3回芥川賞を巡る太宰の逡巡のようすを、自分なりに補完しながら思いを巡らせてみようと思うのである。猪瀬先生の偉業に対して、甚だ烏滸がましくも無礼千万な試みと承知はしているけれど、太宰にイカレた一人のじじいの、熱い気持ちを解って頂ければとも思って

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「津軽」に思いを馳せて

「津軽」に思いを馳せて

はじめに
ふと点けたテレビでは、ウクライナの戦争やパレスチナの戦争を映し出したあと、最後に、街角で女性が「今の私達は世界がまさに目前で壊れていくさまを見ているのではないか、人類は何も学ばないと言うことが分かった。」とインタビューに答えていた。
この日本でも、北陸地震に潰れた家屋の中で、まだたくさんの人たちが残されている、支援も届かないという、叫びと嗚咽が詰まった惨状を見せている。
どれもが余りに切

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