20~30代地方公務員と一緒に焦りたい。

こんにちわ。些の件です。

 既に一度、高齢者人口のピークが20年後っていう事で、話をさせてもらいました。
 地方制度調査会としても、地方自治体の対策としては”広域化”ということです。


 この広域化で中枢都市となるような自治体では、恐らく現時点では周辺自治体からの流入人口も多く、人口は減少していないところもあると思います。でも、中枢都市となりうる自治体も20年後は、いよいよ人口減少していきます。
 その時に、まだ人口減少対策に取り組んでいない都市が本気になったら、周辺のど田舎自治体は太刀打ちできるでしょうか。
 3大都市圏や東京23区が、本気で人口減少・若い世代を囲い込むような対策を行えば、地方の中枢都市も敵わないんじゃないかなと思います。

 広域化には自治体職員数の合理化を図る意図があります。例えば1市4町の広域自治体があったとして、ある事務の担当者は中枢都市は4人、他の自治体は2人づつで、合計12人。広域化して中枢都市で事務を一元化したとして、中枢都市は2人、他の自治体から1人づつ職員派遣して6人。こんな風に必要職員数減るようにして、自治体財政のコスト削減に繋げていく狙いがあります。

 これで地方交付税制度としては、1自治体の財政需要額を減らせるので、交付税歳出を抑えることができます。

 でも、単位自治体財政では、広域化を図って、ある事務を担当する職員1人分の事務が減ったからといって、職員を急に減らす事はできません(法律的に不可能ではないけど…)。新規採用職員数を退職者数より減らすことで職員数の頭数を減らす自治体がほとんどかなと想います。
 予算や政策的な大枠は広域化の方で行うので、自治体側で減った仕事は係長・主査職が行うような事務になるでしょう。残るとしても窓口的な事務くらいでしょう。
 自治体側は係長・主査職のポジションが1つ減りますが、係長・主査職の職員数は減りません。余剰人員が、しかも既にそこそこ給与が高くなっている層を中心に発生します。
 また、減額される交付税も、係長・主査職クラスの職員給与費が減らされ5,000千円くらい交付税が減額されたとすると、職員給与費は新規採用職員が1人減っただけなので3,000千円くらいの歳出抑制効果しかないので、差し引きの2,000千円くらいは自治体の新たな負担になってしまいます。

 広域化が進むと、広域化を図った事務に要する自治体の歳出額は減ります。事務も減ります。行財政改革が進んだように見えますが、自治体に残るのは単純労務と、そこそこ給与の高い適材ポジションのない職員、更に進む自治体財政の硬直化だと思うのです。

 かなりカオスな状態が想像できます。

 特に、今20代~30代前半の地方自治体事務系職員の方、自分に当てはめて想像してみてください。ひょっとしたら30歳前後で広域化の方に派遣されて、ちょっと都会で2,3年生活できて楽しいかもって事もあるかもしれませんが、派遣期間が終わって自分の自治体に戻っても、広域化で積んだスキル・キャリアを活かせるポジションは、ほぼありません。新規採用が抑制されているので、戻ってきても3年前と変わらない仕事や、新人時代にやっていた仕事がまたまわってくるかもしれません。係長に昇格できても部下は居ません。
 財政も厳しいと、新たな施策など行うのも難しいので、現段階で人口維持できているような都市部に、移住や若者の就労などの面で太刀打ちできず、地域で働く若い世代は、増々都市部に流れていくでしょう。
 自分も、子どものやりたいスポーツクラブが地域にないなどの理由で、通勤車で1時間の中枢都市の方に引っ越すこともあるかもしれません。
 そういった自治体だと、役場が新規採用職員募集しても、応募者0っていう事態も容易に想像できます。50過ぎて管理職になっても、半日は今と大して変わらない仕事、残り半日で管理職っぽい仕事して、時間外手当出ないけど、就業時間後には封書作業とかを1人で黙々とやらないと事務が回らない、なんて事もあるかもしれません。



 2020年の少子高齢のピークを迎えるときに、行政の主力となるのは、今の20代~30代です。ただ、このままいけば、20年後にほとんどの小規模自治体は、財政も人事も硬直化して、身動きできない行政になっていると想像します。
 そうなってしまった時の自治体の最後の手段は、職員給与削減か首切りくらいしかありません。その時にはポスト数に対して余剰となっている40代~50代職員が真っ先に給与削減や首切りの対象となるでしょう。
 

 さあ、20代30代地方自治体職員は焦りましょう!

 住み続けたい・働き続けたい地域を作るのは、20年後自分たちがそれなりの役職に就いてからでは、遅いと思います。

 今から、20年度の自治体職場と地域を想像して、住み続けられる・働き続けられる地域を作っていけるようにしていかなくては。

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