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人生を豊かにしてくれる、人・本・旅

先週末、韓国の土を踏んだのは、人生で初めての事だった。

私は韓国について通り一辺倒の情報しか持たなかったけれど、韓国マニアの友人のアテンドで、ディープなエリアで市井の文化に触れることができた。

私はいわゆる女子旅的なエステやショッピングには殆ど今回興味がなく、デザインの参考になる建築と美術館巡り、そしてこの国の普通の人々の暮らしと食に興味深々。

例えば今回感じたささやかなこと。

韓国は元々は儒教文化の為、2人以上で食事をする前提だそう。一人で食事に行く時は、一人でも良いか最初にお店で確認するのだとか。

友人はライブ目当ての一人旅が常なので、今回久しぶりに韓定食(日本の懐石料理のようなもの)を食べたそう。

そのお店の私たちの隣の部屋では親戚一同が集まり、赤ちゃんの1歳のお誕生日祝いの会食中。祖母らしい年配の女性が盛んにぐずりだした赤ちゃんをあやしている。

そんな風景もとても微笑ましかった。子供の成長を大人たちが祝いたいのは世界共通の思いなのだ。平和でなければ、それすらも許されないから。

そして地下鉄の至る所に設置されているガスマスクと、時折流れる使用方法の映像。まだこの国が戦争中だということを、肌で感じる一コマ。

韓国の方としては
「日本人がいつ地震が来るからわからないと言って怯えて過ごさないでしょ?」という感じで、ガスマスクが常備されている駅で淡々と日常を過ごしているのだ。私たちが防災セットを常備しているのと同じように。

ネット社会が世界の膨大な情報と、私達との距離を縮めたのは間違いない。

けれど、実際のその国、その場所までの距離は1ミリも変わっていないし、リアルに情報を感じるには、私たちは変わらず時間をかけて自分の体を運ぶしかない。

それでも、そこに行く価値がある、とわたしは思う。

知ったつもりになっているのは、誰かの手によって切り取られた情報の断片。

その場所が発する本当の空気感を望むなら、自分自身の五感を研ぎ、受け取りにいくしかないのだ。

多様な価値観を網膜から鼓膜から鼻腔から取り込み、自分の一部にしていくことで、自分の細胞をアップデートしていく。

そして自分の森がより豊穣な、多様な世界になっていくのを感じることができる。

本は変わらず良質な情報を受け取り、価値観を広げるための、最高のコンテンツだと思う。

だからこそ、本やネットの情報と、体感した情報をインタラクティブに味わうことで学びの奥行きが何十倍にも増していくのだと思う。

実は、出張以外での海外へ行ったのは9年ぶり。

長い年月を要したけれど、自分の意思で行き先を決め、私が3日間不在でも子ども達に影響がないように、あるいは私がいないことで学びがあるように準備を重ね、ここまで辿り着くことができた。

多様な価値観に触れられる旅先と、わたしが作り上げてきた、大切な家庭。

その2箇所を、より自由に行き来できる時代の到来を感じ、感謝した週末だった。

大好きな出口治明さんの記事
https://media.lifenet-seimei.co.jp/2016/03/29/6339/

画像は美しい紅葉が盛りの景福宮とチマチョゴリの少女たち

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