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しんと雪が降る夜に。

さむいさむい、冬の夜。それでも「華金だしね」と理由をつければ、いつだってどこにだって駆けつけたい。

雪の降る街も、誰かと一緒に眺めるとそれはもう特別な一瞬で。真っ暗な空から白い雪がハラハラと落ちてくるそれを眺めながら、思わず目を見合わせて「綺麗だね」と呟くと「綺麗だね」と立ち止まってしまう。

そんな、しんとした週末の夜が、たまらなく愛おしい。

今晩は、寒波で電車が止まってしまうかもしれない。いや、それでも、まだ夜は始まったばかりなのに……と、いじけたくなるような食後にポンと差し出されたのは、あの日、仙台でも、中目黒でも、惹かれるように店内にふらっと引き寄せられては買うか悩んだそれで。

なんでもない、ただの金曜日の帰りに、とんでもないサプライズをいただいてしまった。

「えーーー。わたし、何度も買うか悩んで今日まで過ごしてきたのよ。もういっそ、自分へのバースデープレゼントに買ってしまおうかと思っていたの。」

と呟くと

「予算オーバーだったけどね。これを見たらあなたの顔が頭から離れなくなっちゃってね。」

と照れくさそうに喜ぶその顔が、もっともっと、愛おしい。プレゼントを胸に抱えながら、外に出ると、雪はやんで、それでもぴゅうと底冷えする街が並んでいる。

もう、大丈夫。おうちに帰ろう。
今日は、とっても素敵な金曜日。華金でした。

あったかくして寝ましょうね。
おやすみなさい。
またあした。

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