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レベル29

2月8日、にやにやの日。29歳になってしまった。

0歳から10歳までは、ホギャホギャしていた(のであろう)赤子から一人で地下鉄にも乗れちゃう小学生に、10歳から20歳までは親元を離れてわずかながらに自分で稼いだお金で遊ぶ自由を手に入れたりと、随分と成長した覚えがある。

確かに、20代に入ってからも、大学生を経て、大学院生を経て、初めての海外まで一人旅を経て、3度の引っ越しをして、社会人になって、今ここにいる。でも、19歳だった頃のわたしと比べてぐうんと成長したかと問われると、なんだかそうでもないような気がする……というのが正直なところ。

昨夜も、一年違いで同じくにやにやの日に生まれた彼が職場の忘年会で引き当ててきたすき焼き肉を頬張って、お茶の先生に炊いてもらった松茸ご飯をいただいて、夢見心地の前夜祭をしたけれども。でも、「気づいたら、年が明けちゃったね」みたいな感じで「気づいたら、歳を重ねてしまったね」と笑いながら床についた。

29歳の頃の母は、2人の娘を育てながらもうひとりを身篭って幼稚園や習い事の送迎に、掃除に洗濯に、手料理や手作りのお菓子をわたしたち家族に食べさせてはせっせと生きていた。

と思うと、身体的にも経済的にも、家族を作ったり子どもを育てたり、きっとそういう力はもっているんだろうなということは、なんとなく分かる。でも、まだまだ自分を可愛がって生きていくだけで精一杯なような、そんな気がしている。何にでも「でも、でも」と言ってしまうわたしは、まだまだ弱い。

もしかしたら、年々、歳を重ねるごとに、あるベクトルは短く弱くなっているような、そんな気さえする。例えば、日々の生活に大きな変化が生まれることとか、何か目に見えない【責任】のようなものを背負うこととか。そういうことに、繊細に、敏感に、怖気付いているわたしがいるような。

29歳、どんなわたしでいたいのだろう。
とりあえず、毎日ご機嫌に暮らしていたい。
オトナになるっていうことは、自分のご機嫌を自分で取れる人であることなんだろうなと、最近、ふわりと思う。

とここまでつらつらとかきながら思い出したんだけれども、そういえば、20代はひとり暮らしを始めたんだった。

元々、わたしはいつもご機嫌で、日々幸せそうな顔をしていられることが自分の良いところだと思っていたのだけれども、それって一人暮らしをしてみてできるようになったことかもしれない。10代の頃はよく、どうでも良いことで腹を立ててしまったり、拗ねてしまったり、そんな自分と悶々と生きていた。

一人で暮らすようになって、「ひとり」を充分に満喫することで、人と会ったときはベストなコンディションでにこにこと穏やかにポヤポヤと日々を楽しめるというか。「ひとり」と「みんな」の塩梅がちょうど良いと、自分のご機嫌もうまくコントロールできるような、そんな気がしている。

「ひとり」の自分をちょっとずつ愛せるようになって、じゃあ誰かの横で眠るときに、自分が自分を愛するのと同じように相手のことを愛せるかしら……なんてことをまた唐突に。

「ひとり」でいるからこそ強くあれた部分が、「誰か」甘えられる相手がいるということで、わたしを弱くさせることも、あるのかもしれない。その弱さとどう向き合っていったら、わたしと同じように相手を、今わたしがわたしを愛している以上の大きさの愛を抱きしめられるのだろう。

30代、どんな「暮らす」をしていきたいんだろう。わたしを、わたしの半径90cm以内の大切なものたちを、もっともっとふんわりと大きく抱きしめていくために、今年も1年もがいていこう。

「毎日が楽しい」なんてのは贅沢かもしれないけれど、日々空は美しく、こころも晴れやかで、自由で開放感にあふれて、好きなことを好きだと言える一年にしましょうね。




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