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最後のライブは意外と感慨深くなかった話

前回の記事「好きだったバンドと決別することについて」の1ヶ月後、最後にライブに行ってきた。
ファンは辞めたがチケットを買ってあったので仕方がない。行くまでに色々悩んだし、友達にも相談した。が、バンドの悪評が広まりすぎて「お譲り」もできないチケットなので無駄にバンドに金を払うくらいならば最後に見ようと思った。どんな顔してライブするんだろうという意地悪な気持ちもあったが。

前回記事はこちら https://note.com/sanmaamem/n/n75a4308507b5

ライブは過去のツアーの衣装を着て当時の曲を中心に、最近の曲も織り交ぜて演奏するもので、今回は第2弾だった。過去のツアー衣装は好きだったし、当時の曲は好きだったからまだ行けたというのもある。第1弾同様、1日に2部おこない2日間開催、全部で4ステージという日程だったのだが、友達が1日通し券を買う都合上、連番で入りたかったので仕方なく1日通し券を初日だけ買ってもらい、その日は2ステージ見る予定だった。

ライブにいかない方のために補足しておくと、連番というのは整理番号の番号が連続していることで、チケットをバラバラに買ってしまうと早い整理番号を引いたほうが同行者の整理番号が呼ばれて入れるようになるのを待たなければならず、見やすい場所を取りづらくなるというもったいないことが起こるのである。先に入って同行者のために見やすい場所を取っておくというのは無論、ルール違反だ。

前回のnote後に起きたこと

ここで、前回のnoteのあとに起きたことを共有しておきたい。
①前回のnoteでサラッと触れた性被害の問題が週刊文春にすっぱ抜かれて色々なところで叩かれる
②公式アカウント、メンバー、社長ともにだんまりを決め込む
③公式から「〇〇時、大切なお知らせがあります」という意味深なツイートをする(V系で「大切なお知らせ」は解散か活休かメンバー脱退)
④心配を他所に、〇〇時にドラクロワの民衆を導く自由の女神風のアー写だけがコメントもなく投稿される
⑤各所で叩かれまくる
⑥メンバーたちから謝罪と弁明のツイート

性被害の問題をもう少し丁寧に解説しておくと、2021年秋、ベースの彼女が、ベースと付き合っているとは知らないギター1に泥酔させられて強姦され、それを彼氏であるところのベースに報告したところ、今はバンドが大事な時期だから警察には言わないでくれ、と言われた。2022年夏頃になってベースから別れを切り出され、別れるならバンドを守る理由もないと警察に行き、裁判の準備をしはじめ、Twitterでギター1とのLINEのスクショを貼るなどした。ギター1は先週書類送検されている。ギター1と事務所は性行為に同意があったという方向で争う方針。

ライブ当日

初回の開演前、ボーカルが④ドラクロワの民衆を導く自由の女神風のアー写だけがコメントもなく投稿されたことに対して謝罪をして、それ以外は戦っていく風のことをアナウンスした。その後すぐSEが始まって開演だったのだが、立ち上がりしなに隣の友達に「そんなんなら言わなきゃよかったのに」と悪態をついたことをよく覚えている。
私はベースの容姿が好きだったのだが、バンド開始後初の金髪になっているベースを見て、過去衣装を着ていてももうかっこいいと思えなくなった。黒髪と比べると、金髪は全然似合っていなかった。

1回目のMCでベースとギター1が不安にさせたことに対する謝罪とこれからの活動で巻き返せるように努力するという決意表明をしていたが、ふたりとも頭が悪く真面目モードが苦手なので、ベースは笑ってしまっていたし、ギター1はいつも通りのやる気ない様子だった。
全く期待をしていなかったので予想通りだったし、MC中に謝罪するだけマシだな~と思ったが、あんなんならやらないほうがマシだったな~とも思い直した。

ライブの感想

ライブ自体は予想通りというかやはりというか、それなりに楽しかったものの今までのような楽しさを感じることはできなかった。サポートドラムの人は上手ではあったがメタル畑の人らしく、どちらかというとこもったサウンドで、エッジの聴いたギターのサウンドと合わせると霞んでしまうのがもったいなかった。ボーカルのMCから曲に入る間も独特なのだが、元ドラムはそれに合わせてくれていた。サポートドラムの人はそれがわかるわけもなく、ボーカルが合図を出すなどしており、元ドラムに対する恋しさが増した。
曲中の振りも、ジャンプするところでジャンプする気にもならなかったし、手を掲げるところも手を挙げる気にならなかったし、発声可の公演ではあったが発声することもなかった。ヤケクソだったのでヘドバンは思いっきりした。首がもげるかと思うくらいした。
1部はツアー当時前後の曲が多く、最近の曲がほとんどなかったので我に返ることも少なく、アナウンスとMCにより空気は最悪だったがまだ曲がよかった。久しぶりに演る曲も多く、懐かしくて思わず笑ってしまっていた。あと初めて生で見た当時のボーカルの衣装がめちゃくちゃ可愛かった。
2部の表題曲はもともと暗い曲で、一番重くて暗い棒立ち曲が1曲目に来たので、全体的に重くて暗いセトリになることを期待したのだが、前回のnoteで書いた新曲を境にアップテンポで盛り上がる曲ばかりになり、期待はずれで残念だった。新曲はやっぱりめちゃくちゃつまんなくて、本当に右手を音楽通りに動かすだけのリズムゲーだった。最悪。

思わず煽りに応えてしまった

あまり今回が最後、という感覚はライブ中にはなかったが、ボーカルが「これからもついてこいよダメ人間!!」と煽ってきたのに反射で手を上げてしまったが、ハ!今日私は最後だ!と気づいた。もうダメ人間じゃなくなるんだわ…ついていかないのよ…と思い、途中で手を下ろした。のを友達に見られており、ライブが終わったあとにからかわれた。

行ってよかった

好きだった過去曲のライブだったのにこんなに不完全燃焼ってことはもうダメだ、と諦めがついてよかった。散々悩んだが、変な未練も残らずに済んだので行ってよかったと思う。「過去の曲は好きだがメンバーは嫌い、今の曲は嫌い」でいいと思ったし、もし解散が決まってラストライブをすることになったら見には行ってやるかと思えた。

そういえばライブ中にボーカルとギター2とサポートドラム以外見るところがなく、ライブに行き始めに視線のやり方に困っていたのと似ていることに気がついて、少し面白かった。当事者のメンバーの名前も呼びたくないので「ベースの人」「上手ギターの人」とか呼んでいたのも、メンバーの名前を知らなかった当初と一緒だなあと思った。

「ダメ人間」を上がった

そうやって意外とあっさりと葛藤もなく、惜しむこともなく私の最後(から2番目)のライブは終わった。上がることを惜しむにはバンドへの不信を溜め込みすぎた。思った以上にスッキリしているし、もう醜態を晒しているメンバーを見ずに済むんだ、もう掲示板を見ずに済むんだと思うと日常的なストレスが少し減る予感がする。きっとこの先もライブラリに入った曲は聴くだろう。でも新曲はキャッチアップしないし、CDも買わないし、SNSも追わないし、ライブも行かない。もうTwitterもインスタもフォローを外したし、リストも削除した。

次に彼らを見る解散ライブがいつになるのか、果たして解散するときに解散ライブができる状態であるのかが少し気がかりだが、もうそれも私には関係ない。
5年間、楽しい時間をありがとう。

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