見出し画像

まろに☆え~る×栃木県赤十字血液センター秋のコラボの影響を解析してみた結果

以前の宇崎ちゃん献血コラボの解析では、じゃもし様から「10月を使うのはノイズが多すぎます」とのコメントを頂いておりました。

全くもってその通りで、何とか良いデータが無いかと検討していました。

ただし、いつ、どこで、どのような献血コラボが行なわれるのかを検知することが難しいことが問題となります(一覧になっているようなサイトを、ご存じであれば教えて下さい)。

また、東京都はいろいろな献血ルームで独自の企画・出来事もあるので、月間データだけでは、コラボ企画単体影響を見ることがそもそも難しそうです。

まろに☆え~るコラボは良いぞ。

で、なんやかんや調べた結果、昨年11月に行なわれていた栃木県の「うつのみや大通り献血ルーム」で実施されていたアニメコラボ企画に注目しました。

じゃもし様の上記ツイートでは「待って、」とコメントいただきましたが、11月のコラボを使いました。ぜんぜん待っていません!

ミュシャ風のクリアファイルが良い感じですね(個人の感想です)。ちなみに「まろに☆えーる」とは、「栃木県をたくさんの方に知ってもらえるように“エール”すべく結成されたアイドルです!」とのことです。やはり、栃木はいいぞ(ダイマ)

この「まろに☆えーるコラボ」がアニメコラボ企画の影響解析に向いていると判断した理由は下記の通りです。

1.栃木は最高だ(ダイマ)。
2.コラボの期間が月を跨いでいない。
3.栃木県の献血ルームは1箇所だけである。
4.コラボ企画を行なっているのもこの献血ルームだけである。
5.コラボ企画がSNSなどで炎上していない。
6.定期イベントを除いて企画がない。
7.栃木なら、宇崎ちゃん献血コラボの余波は少ないのではないか(偏見)。
8.ご当地アイドル的存在ならば、栃木県の皆さんの反応性も高いに違いない。

一方で気がかりな点もあります。あっという間にクリアファイル配布が終了したことです(11月12日には終了していた)。

この点は気になりますが、まろに☆え~るコラボの影響を見るために解析をして見たいと思います。

使用するデータ

日本赤十字が献血の統計データとして公開している表から、献血ルームでの献血者数を引用します。

下記のデータセットを利用しています。

解析方法

例によってSynthetic Control Methodを用います(バカの一つ覚え)。

Synthetic Control Methodの分かりやすい解説は、Dr.KID先生のブログが良いと思います。最初に登場した論文はAbadie先生とGardeazabal先生の論文ですが、最近はいろいろと使われています。

今回は、曝露=まろに☆え~るコラボ(栃木県)、対照=関東以外の道府県、と設定しています。対照から関東を除外したのは、他のコラボが動いていたからです。

解析方法は、次の2つを採用しました。

まず1つめの解析は、「献血ルーム1室あたりの献血者数」をアウトカムとします(各都道府県の献血ルーム数を調べた)。

2つめの解析は、「献血者数の前年同月比」をアウトカムとします。

解析に用いたStata doファイルは下記のものです。ご指摘等ありましたら、コメント欄などで頂ければ幸いです。

結果1:献血ルーム1室あたりの献血者数

重みは次の表のように算出されました。

画像3

この重みを考慮にいれて、変化を折れ線グラフにしめすと、次のようになります。

画像1

見ての通り、うまく合成対照を作ることができませんでした。

RMSPE(合成対照が上手く作れたかどうかの指標)は、約100でした。

2019年3月と10月に特に大きなズレが生じています。

特に、2019年10月の栃木県の献血ルームは減少幅が激しいのです。前年比マイナス9%(全国的にはプラス12.5%)ですし、前月比でみてもマイナス12.4%(全国的にはプラス5.3%)でした。

画像4

2019年10月に栃木に何があった?

結果2:献血者数の同月前年比

合成対照を作るための重みは次のように計算されました。

画像5

これを元に作成した折れ線グラフがこれです。

画像2

はやり合成対照を作る事に失敗しています。

理由は、2019年10月に栃木で極端な減少が起っていることです。

10月に栃木に何があった?を考察

まろに☆え~るコラボによって献血者数が増加しているかどうかを明らかにする事はできませんでした。

2019年11月にまろに☆え~るコラボがあるために、10月の献血控えが発生した可能性も検討しました。

血液センターでの告知ページ(削除済み)は10月中旬~下旬だったようなのですが、一葵先生の「献血イラスト依頼があった」旨のツイートは8月でした。

このツイートから真の栃木県民ならば「11月頃にコラボがある」と早い段階で判断できます。

このため、11月コラボ時期に献血するために、10月は献血者数が減少したのかも知れません。

もっとも、缶バッジが配布された2019年5月の前月である4月では、同様の事態が発生していませんので、上記考察は深く考えすぎです

結局、2019年10月に栃木県の献血界隈で何があったのか分かりません。

結論

今回の解析では、何も言えませんでした。

まろに☆え~るを熟読することにより、改めて栃木の魅力に触れることはができました。

利益相反(COI)について

まろに☆え~るについては、今回の解析に思い至るまで寡聞にして知りませんでした。単行本は買いましたし、Webで読める回も読みました。また、一葵先生の「ススメ!栃木部」は電子書籍で前々から持っていました。

献血については、以前も開示したとおり、研修医時代に献血の問診医のバイトをしていました。

金銭・経済的なCOIはありません。ただし、金銭を頂くことを拒否している訳ではありません。何か贈りたい方は是非お願いします(ダイマ)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?