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翻訳者がいる組織は強い

仕事でクライアントの方々と話をする時に
「わたし」という主語がたくさん出てくる人がいる。
たいてい「わたし個人的には」というセット表現で話される。

「わたしは、自分がいる組織の考えとは異なりますが」
ということを言いたい枕詞である。

組織を代表して話しているのではなく
自分個人の考えとして話しているのであれば、
いま目の前で語られていることは
組織の課題なのか個人の悩みなのかが紛らわしい。

そのような表現が適切な場合もあるが
「わたし個人的には」を連発する人は
自分がいる組織を自分ごと化できずにいる場合が多い。

何か組織課題を感じているから
そのような言い方になるのだと思うが
その組織の一部である自分を切り離して言及することに疑問が湧く。

一方で、プロジェクトの相談を受ける時に
「わたしたちは」とか「われわれの会社は」
という主語で自分ごと化された課題を話されるのを聞くと、
理念経営がしっかりとなされていて
組織の翻訳者が多く、一体感があると感じる。

特にミッション・ビジョン・バリューのような
根幹を理解している翻訳者の存在は組織力の要である。

メンバーに組織の翻訳者という意識がある会社は
太い根を張った樹と同じようにたくましさを感じる。

組織内外で何かを伝える時、
「わたしは個人的にこう思う」ではなく
「われわれはこう考えている」
という伝え方ができるのが組織の翻訳者。

自分で選んだ組織に属している以上、
自社のバリューを語れる翻訳者であって欲しいと思う。

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