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地頭力

地頭力がほしい!

と言ってみましたが、
地頭力ってなんだろう?

「地頭」とただの「頭」は何が違うのか?

単純に知識的にモノを知っているだけでもなさそうだし、
批判的な思考で論破する人でもなさそうだ。

勉強で点数が良かったり、
学校で優秀な人とも違う感じがする。
高学歴のことでもなく、暗記力、記憶力のことでもない。

これらは、頭が良さそうな響きだが、
「地頭がいい」というのとは、イメージが異なる。

地頭力を鍛える』という本を読んでみた。

組織の人財採用という視点で読んでみると、
知識・記憶力と対人感性力だけに頼ってきた
これまでの「レガシー会社人」ではなく、
どの企業も「地頭型多能人」を求めているという話。

みな地頭力をほしがっている。

現実は、ネットのコピペ族が増殖しているという。
自分の頭を使う人が少なくなっているらしい。
自ら考える力が弱い人が増えている、と。

テクノロジーは人間の活動を助ける一方で、
能力を鍛えなくてもやりすごせる環境をつくることができる。

だから自分から地頭力を鍛えていかないと、衰えそうだ。

知識や情報は陳腐化するが、
考える力は鍛えることで上がっていくらしい。


変化の激しい世の中で高い価値を提供していける人財は、
未知の環境の中で解決する力を備えていると感じる。

その課題解決力に大きく関わるのが、地頭力。

地頭力を構成するものは、3つあるという。
①結論から ②全体から ③単純に 考える視点。

なるほど。

その3つを意識しながら思考力を鍛えれば
地頭力が上がるというが、
さらにはその前にもっと重要なものがあるそうだ。

それが、地頭力の前提となる「知的好奇心」
課題に向かおうとする好奇心があるということ。

地頭力を鍛える事例に、
「日本全国に電柱は何本あるか?」
という問いが書籍に書かれていた。

ネットなど何も見ずに、
これまで学校で学んだ地理の知識や、
自宅の周りの環境を具体的に思い浮かべながら、
思いつくシンプルな計算式で私も仮説立てをしてみた。

限られた手持ちの知識から仮説を立てていくのは
難解なパズルを解くようだ。

考えている時はグルグルと頭を悩ませながら悶々とするが、
自分なりの仮説にたどり着くと、コマを一つ進められた気がする。

最初から適切な解に辿り着くほど情報の精度がないから、
何度か自分の仮説に疑問を呈しながら、
適切な解をアジャストしていく。


このような問いに遭遇した時、
そもそも思考を放棄してしまう人がいるという。

「そんなの分からない、経験がない」と言って考えない。
またはすぐ検索して思考を放棄したくなる。

思考するというのはエネルギーを使うことなので、
人間だから、面倒に思う気持ちも出てきてしまう。

でもこの地頭力を鍛えておかないと、
クライアントやパートナーとのミーティングの度に、
思考のお持ち帰りをすることになるのだ。

正解のない多様な世の中において、
「知りません、分かりません」は
「考えたくありません」と同義語かもしれない。

あるいは正しい答えを出そうとして、
一歩先に踏み出せなくなってしまうこともあるのだろう。

正解に早くたどり着くことが推奨されてきた教育環境から
卒業したばかりの若いメンバーに見られる傾向でもある。

正解を出そうとすると思考が止まる。

思考停止を回避する方法としてよく言われることがある。
それは、考えを出すのを躊躇しそうになったら、
まずは誰かの考えに対して、
自分なりの意見や感想を持ってみるとよい。
それが合っているか間違っているか、というのは二の次。
意見を言うと思考が活性化されてくる。

仮説思考とは、限られた少ない情報でも逆算して考えること。

誰しも少なからず何年かは生きているわけで、
何かしらの生きるための情報はそれぞれ持っているのだから
気にせず意見を出してみることから始めればよい。

「知的好奇心」があれば、少しは前に進めそうである。

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