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属人化

属人化する仕事

仕事における効率性が求められると
「属人化」している業務やプロセスの改善に焦点がいく。
その時の議論は大抵、属人化は悪だ、という考え。

だが私は、属人化は単純に善悪で捉えられないと思っている。

その仕事に「誰が」関わるかということと、
その仕事が全体のどの「位置」を占めるのか、
で変わるものだと思っている。

名プロデューサーや名ディレクターという人はいるが、
オペレーターやアシスタントとして著名な人はすぐに思いつかない。
上流の仕事ほど、誰かの強みに属してしまいがちである。

この世の中にある製品やサービスを見回してみると、
大抵ある一人の人の考えや発想、動機から出発していることに気づく。
その人に属人化されている要素から何かが生み出され、
そこに共感した人とともに形にするフェーズに移っていく。

大元の考えや想い、発想は、仕事の流れで言うと「上流」にあたる。
その能力をノウハウ化したり、言語化することが難しい領域でもある。

他方でマニュアルに沿った作業領域は、
そのプロセスが誰かに属することはない。
属人化しない範疇を考えた時、変化が少なく、予め想像がしやすく、
体系化されやすいことが多いと感じる。

自分しかできない上流の仕事をしたいと思う一方で、
顧客との関係や業務が属人化してしまうジレンマは、
我々のような組織でよく発生する。

大事なのは、誰の何が属人化されているのかを認識すること。
そして、
それによってどんな貢献がなされているかも考えていきたいと思う。

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