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調和

坂屋の神様まで行く道のひとつのルートに、こうやって岩の上に立っている木が幾つかある。
山を歩けば互いの根っこを絡ませながら共存している木や川の上をまたいでトンネルを作って立っている木もある。
木も石も川も、そう、いつだって自然は私たちに調和を教えてくれる。

人は人、自分は自分と隔たりを作るのではなく…あらゆる現象は姿かたちを変えて私が映し出したものだと捉えれば、皆自分だと思える。

山を歩き杉の木立に囲まれて座るのが幼い私の唯一の拠り所だった。
そこに二輪草や猩々袴、錨草が咲いてるのを見つけると降りてくる前に居た星のことを思い出し、唯一癒されるひと時だった。
私は絶えず自分の居場所を見つけるために山を歩いた。
それが地球に自分を馴染ませる方法だった。

人は絶えず自然からエネルギーをもらって生きている。
私は山のエネルギーを背中から充電しているのを感じている。

自分の中の答えが出ない時は自然に聞いてみるといい。

家の周りの杉たちが大きくなってきた時、そろそろ伐ったほうが良いんじゃないか?と言われた。虫が入ったり腐ってきてるなら考えるけれどね…。
私は杉たちに尋ねた。
「あなたたちを伐ったほうが良いのかどうか?」と。
「どちらにしてもあなたの邪魔はしないよ。」
と返ってきた。
それなら共に生きよう。と私は決めた。

杉の木立。粉雪が降ると粉砂糖をかけたお菓子の国。
綿雪が積もるとアイシングのマントを羽織った魔女の木になる。
誰が根っこが浅いなんて言ったのかしら?


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