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【化学メーカーDXの歴史】住友化学 with アクセンチュア編

サンカク製作所

化学メーカーのMI活用やDX推進を盛り上げたいサンカク製作所です。

大手化学メーカーの一角で、MIで先陣をきる「住友化学」。
今回は、「住友化学」のMI活用/DX推進の経緯や現状を公開情報からまとめました。

自社のMI/DX推進や、就職先の参考等にご参考ください。


企業概要

国内では三菱ケミカルに次ぐ化学メーカーであり、研究開発費や売り上げに対しての割合を見ても国内1位の研究に力を注ぐ企業。（傘下の住友ファーマが製薬企業であり、研究開発費比率の高い製薬部門に引っ張られている可能性がある。）

売上高(2023年3月期)：約2兆8953億円（連結）
研究開発費の売上に対する割合(2023年3月期)：6.8%
従業員数：連結33,130人(2023年9月30日現在)

【参考】

  1. 化学業界の研究開発費ランキング｜研究開発費データベース - 研究ネット (wdb.com)

MI活用/DX推進の推移

概要

　他の大メーカーと同様に、2017年ごろから本格的にDXの取り組みが開始。DX戦略1.0,2.0,3.0として3段階に分けて進めている。他社と異なり特徴的なポイントとしては、システム子会社を吸収合併したことに加えて、別途アクセンチュアとの合弁会社を設立している点。

年別の活動内容

2015年
　土佐 泰夫 氏からデジタル革新の取り組み始まる。

2017年
　・IT部門において、システムを安定的に保守運用する「守りのIT」のみならず、住友化学グループのビジネス拡大、業務革新に資する「攻めのIT」を実行するための体制整備、人材育成を行うことを決定。
　・物質・材料研究機構（ＮＩＭＳ）と住友化学を含む化学系大手メーカー４社は水平連携による「マテリアルズ・オープン・プラットフォーム」（化学ＭＯＰ）を開始

2019年
　中期経営計画の全社のデジタル革新プロジェクトを開始。「プラント」「R＆D」「サプライチェーンマネジメント」「オフィス」の4領域に焦点を合わせた、「DX戦略1.0」と命名。

2020年
　データサイエンティスト14名（当時予定）。データエンジニア65名に。

2021年

  ・顧客接点強化・満足度向上に関連するマーケティング活動の高度化などを実現し、既存事業の競争力確保に資する「DX戦略2.0」を開始
  ・主に革新的な技術にキャッチアップするスキルを目的としてアクセンチュアと合弁でSUMIKA DX ACCENT株式会社を設立。出資比率は住友化学が80%、アクセンチュアが20%。
　・子会社の住友化学システムサービスを本体に吸収合併。
    ・約50のプロジェクトでMI実装。
　・2017年から進めていた化学ＭＯＰの成果として最少の実験回数で高い予測精度を与える汎用的AI 技術を開発と発表
Full article: Experimental design for the highly accurate prediction of material properties using descriptors obtained by measurement (tandfonline.com)

2023年
　・デジタル革新部にDX戦略3.0推進チーム「Value-nauts」を設置。「ビジネスモデル変革による価値創出」をミッションとする。
　・データ利活用を通じた新たな価値を届ける「DX戦略3.0」を開始。

2024年
　研究開発・製造部門でのデータサイエンティスト（高度なデータ解析技術をもち、個別のテーマ支援と合わせて、全社的な データサイエンスの普及・定着に向けた要素技術の実装を図る人材）30名を目標。データエンジニア（高度なドメイン知識とデータ解析手法を組み合わせ、 課題の具体解決を図る人材）は300名。

参考資料

  1. 住友化学とアクセンチュア、住友化学グループのデジタル革新に向け合弁会社「SUMIKA DX ACCENT」を設立 - 日本経済新聞 (nikkei.com), 日本経済新聞, 2021.04.01

  2. IT推進部長とデジタル革新部長に聞く「住友化学のDXの進め方」 | Japan Innovation Review powered by JBpress (ismedia.jp), Japan Innovation Review, 2022.06.29

  3. 住友化学のDX戦略 ～素材産業におけるデジタル革新の取り組みステップ～ [ ITレポート ] - 情報システム分野｜内田洋行 (uchida.co.jp)2021.12.3

  4. 住友化学のDX実践編 ～デジタル革新を実現した組織と人材のつくり方～ [ ITレポート ] - 情報システム分野｜内田洋行 (uchida.co.jp), 2021.12.15

  5. 住友化学レポート（統合報告書）　2023年版（2023年3月期）

  6. 旭化成・住友化学・三井化学・三菱ケミカルが水平連携、「化学ＭＯＰ」の現在地｜ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 (newswitch.jp).2022.04.11

  7. 最少の実験回数で高い予測精度を与える汎用的AI技術を開発～材料開発のDX：NIMS、旭化成、三菱ケミカル、三井化学、住友化学の水平連携で実現～ | 三菱ケミカル | JPubb, 2021.10.25

  8. DX戦略3.0推進チームを発足～データの利活用による新たなビジネス創出へ～, 2022.12.21

  9. アクセンチュアのＤＸ戦略　老舗企業を魅了するパーパス・ドリブンの世界観 - 文化通信デジタル (bunkanews.jp), 2021.06.09


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