【建もの探訪にいがた版の元ディレクター】完成見学会にさんかくしてみた

2020年9月21日 20:43

家づくりについて

昨日は懇意にしていただいている、建築ユニットJinroku×coboさんの完成見学会にお邪魔させてもらいました。

家を建てのに完成見学会に？と思われるでしょうが、以前に勤めていた代理店で『建もの探訪にいがた版』のディレクターをやらせてもらっていたこともあり、マイホームを構えても家づくりには興味があるのです。

寄せてもらったのは新潟市西区の住まい。これまた素敵な住まいで、もしもボクがディレクターだったら撮りどころに迷うくらいでした。

西区は坂が多く、道が狭いのが特徴で、今回の完成見学会の場所も例に漏れず、という感じでした。

両隣と近接しているし、家の背後には駐車場。どうしても視線が気になるところですが、過度にその視線を遮ることなく、うまく土地に馴染みながらも、暮らしやすい設計になっていました。

家の前に目隠しの格子戸を設けたり、2階のランドリースペースの窓を換気する側だけ窓が開くようにしたり。あえて建物を目一杯まで立てずに、家屋、テラス、庭のつながりをよくすることで土地を有効活用するなど、土地を読み込んだからこそできる設計になっていました。

主張は強くないけど、没個性なわけではなく、お邪魔する土地の中で存在感を示す。そんな土地読みの妙味を、また感じさせてもらいました。

壁を設ける、天井に届くような家具を設置する。そうすれば、キッチンとリビングって明確に分けられると思うんですよ。でも、壁も大きな家具も置いていないのに、キッチンにいればキッチンを感じられるし、リビングにいればキッチンのことが気にならない。

ひと工夫をしているだけに、まったく空間の感じ方が違っていて、ちょっと目からうろこでした。いたずらに空間を区切るだけが、空間設計ではないのだなと。

小見出しにあるような感覚を覚えたのは、そんなちょっとした工夫で感じ方が異なったからでした。キッチンとリビングを分けたい。じゃあ壁を作っちまおう、ではなくて、なんとか連続性を保てるようにする。

そこで汗をかける。それがJinroku×coboさんの持ち味だと思うんですよね。だって、ぽんと板を一枚でも置いてしまえば、それで終わりという考え方もあるわけじゃないですか。でも、それを良しとせずに考え抜く。カスタマーファーストの真骨頂を垣間見られました。

Jinroku×coboさんの持ち味のひとつ、それはヒアリング。とことんまで話し合い、施主の思いを引き出すから、我が家と似ている箇所があっても、まったく同じように見えない。そこは、ストロングポイントだなと。

ウォークインクローゼットにしても我が家と同じ広さでも、ポールの位置が違っているから印象がまったく違うし、布団を収納する押し入れも作りは同じでもカーテンレールかロールスクリーンかで見え方が違う。

それは初期段階でのヒアリングと、打ち合わせでのヒアリングが奏功しているからなんですよね。我が家もまったくオーダーしていなかったキッチンの掲示板、無垢材の階段などなど、まるで心を読んだかのような作りになっていて、家族一同おどろきを隠せなかったことが多々ありました。

それって、思いを汲み取る、その確度が高いからですよね。基本的に打ち合わせの6割は世間話というか、家づくりとは関係ないのだけど、その中から家族の暮らしを想像できる。そこは、大きな強みだと感じています。

建築士の渡辺さんは余白を残すようにする方で、暮らすことで出てくる問題点や改善点を、時間の経過とともに一緒に考えてくれる方で、我が家も住んで1年で「ああしたい、こうしたい」と思いが募ってきていました。

それを相談してみると、「お金をかけずに、みんなで最適なコトを考えてみましょう！」と言ってくれたのです。一般的にお金をかければ、どれだけでもいい家は建つし、いい家になります。

でも、家づくりが暮らしを圧迫するのを良しとしないので、先ほどの発言になるのです。もちろん、無料ではないし、お金はかかってきます。ただ、それを最小限に留めよう、というのが渡辺さんなのです。

建ててバイバイではなく、建てた後こそ親身になってくれる。その安心感と信頼が、ボクたち家族は好きで、だから希望がカタチになるかならないかは分からないけど、「とりあえず相談してみよう！」となるのです。

それに、相談すると引き出しが多いから、２つ、３つと案を出してくれて、それは同じモノを作る土俵にいるボクとしては、とっても刺激的で、会話をしているだけで身が引き締まるのです。

建て後に本当のお付き合いが始まる。そんなスタンスのJinroku×coboさんの見学会には、建てた後も遊びに行きたくなる魅力があるのです。また近々、見学会があるときには寄せてもらおうと思っています。

何でも相談できて、いつでも相談に乗ってもらえる。そんな方々に作ってもらった我が家は暮らしやすく、心地よいのです。

おもいのままに。続けます。今日も呼吸ができた。ありがとう！

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