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解離の癒し――関係療法的な取り組み
解離は、今日とても多いテーマですが、取り扱いがたいへん難しいものでもあります。
解離とは、例えば、災害や事故などの出来事を体験したとき、あるいは、あまりにも強烈な痛みを体験したときに、そのときの体験や感情を自分の心から切り離すことで、生き延びるようとするのです。
ですからこれは、能力でもあるわけです。
自分の心の一部を棄て、そことの架け橋をなくすことで、自分の心がバラバラになってしまうことから守るのです。
けれども、切り離した体験や感情は、なくなるわけではありません。その後も、モヤモヤと浮遊し続けます。
しかし、解離がある人は、それと葛藤することができません。また、ひとりで考えて行き詰ってしまいます。
そのため、解離は関係の中でしか取り扱うことができないのですが、関係の中にしばしば想定外のかたちで現われることがあります。また、衝突といったかたちでも現われます。
グループや集団の中に、解離のある人がいると、メンバーが解離のある人を癒そうとしていつの間にか共依存的な関係になっていることもよくあります。
解離のある人には、精神病的な不安や恐怖があります。つまり、安心できる土台がないのです。
現代は、大なり小なり解離をもっている方が多くいらっしゃいます。近年の脳研究や愛着研究の中で、解離と幼少期の母子における情動調律との関係も、明らかになってきています。
解離の癒しには、言語以前のコミュニケーションとともに、言語でのやりとり、これらの土台としての間主観的感性がとても大切です。
解離が戻ってくると、一時的に、痛みも生じます。いわば、これまで切り離し麻痺させていたところに、血が通っていくからです。
ですが、解離の癒しは、あなたをあなたらしくより豊かにします。
当相談室は、取り扱いが難しいと言われている解離にも、まっすぐに取り組んでおります。
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