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心が深まる本たち

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記事一覧

救済のひとつの道――グッゲンビュール‐クレイグ『結婚の深層』を読む

A.グッゲンビュール-クレイグはユング派分析家のひとりで、この本は、深層心理学的な観点か…

"The Art Of Loving"(エーリッヒ・フロム『愛するということ』より)

エーリッヒ・フロムは、社会(心理)学・精神分析・哲学とを通して、「人間」について深く考察…

絵本が伝える生きる知恵――「フクロウの声が聞こえる」

絵本の読み聞かせは、小学校の教育委員会でも研修しているテーマです。絵本に描かれていること…

野口整体が考える「健康」について

野口晴哉さんという方が創始した野口整体は、いまでは自然健康法として知られています。 私が…

ノイマン『女性の深層』と個性化

神話とか昔話とかを、人間の心の発達という観点からみるのは、けっこう面白いと思います。 人…

「ひとりの人間にとって大切な問題は、必ず多くの人間にとって、大切な問題とつながっ…

と言ったのは、社会学者・見田宗介さんです。見田さんは、真木悠介というペンネームをもってい…

ホスピタリティ(もてなし)とヴァルネラビリティ(傷つきやすさ)の力について

随分前に、繰り返し読んだ本の中に、哲学者・鷲田清一さんの『「聴く」ことの力』があります。この本は、私を女性相談に招き入れた須藤八千代さんというソーシャルワーカーで研究者でもあった方に、ソーシャルワーカーの卵たちと読む本について話し合ったときに決めた本でもあります。 この本の中で、鷲田さんは臨床哲学なるものを探究されているのですが、大きく、①聴くという行為とその力、②他者を迎え入れること、が書かれています。 鷲田さんは、〈臨床〉を「ひとが特定のだれかとして他のだれかに遇う場

『君に友だちはいらない』(瀧本哲史)の意味

エンジェル投資家であり京大で研究・教鞭をとっておられた瀧本哲史さんは、これからの時代を生…

田中美津『かけがえのない、大したことのない私』より

昔、私に田中美津さんを教えてくれたのは、FTM(Female to Male)のゼミ仲間でした。彼のこと…

『普通という異常』(兼本浩祐)が示している社会的事実について

社会病理学やラベリング理論が明らかにしたのは、「マジョリティがそれを定義するから逸脱や病…

『こころの子育て』読書会

1.開催日時●日時● 2020年2月29日(土)13:00~15:30 ●参加費● 1,500円+税(ハーブ…

『母親になるということ――新しい「私」の誕生』読書会

(ダニエル・N・スターン&ナディア・B・スターン、2012年、創元社) 1.開催日時●日時● …