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パパとむすめのパパランド

娘とパパの距離を縮めたのは、『パパランド』だった。

実は、娘(3歳5ヶ月)は、「パパかっこいい、パパとけっこんするの」と、パパのハートをズッキュンと射ぬいておきながら、
「ファミレスの席」→「ママのとなり」
「はみがき」→「ママがいい」
「寝る前絵本」→「明日パパ。今日はママ(いつも)」
「寝る」→「ママと一緒じゃなきゃやだ」
「起きる」→「パパは寝てていい」
という、ツンデレ振り回し系女子だった。

まぁ、365日中362日くらいほぼママと一緒にすごし、平日はだいたい娘が寝てからパパ帰宅、土曜日の午前中はパパお疲れで寝てたりで、7日中1.5日しかまともに会えてない2人なので、当たり前といえば当たり前なのかもしれない。

さらに、娘はおままごとや工作や粘土が好きという、女の子的な遊び方。一方パパは妹がいたわけでもなく、そういう遊び方をした記憶がまるでないらしい。小さい頃まさに『男子』だったひと。
娘がまだ1歳だった頃、甥っ子たちを見ながら一言「(娘)は、いつプラレールを買うんだい?」と言ったくらい、女の子のおもちゃに興味関心が無かった人。


娘が粘土をしてるところ、パパはソファに座り携帯片手に眺めているなんて時もあり、後から聞くと娘はパパと遊んだとは思ってなくて一人で遊んだのと言う、そんなときもあったりした。
「一緒に作ったりしたら?」
と見かねていうと
「いや、俺、こういうの好きじゃないんだよね」
と。

いや、

俺、が好きかどうか、は聞いてない。

と、けんか腰で言ったか言わずかは、ご想像にお任せします。

決して仲が悪いわけではないのだけどなぁ。パパと娘。

ゴートゥーでひっそりと行った久しぶりの家族旅行で距離が縮まったかと思いきや、温泉にパパと入る?という提案を、娘は見事に絶対拒否……。一人でのんびり温泉に浸かる母の夢はついえたのであった。

そんな2人の距離をぐっと縮めてくれたのは、特別な旅行でも、体験でもなかった。

2人でつくった、パパランド。

それは、おもちゃの王様、デュプロブロックの遊園地である!!!


デュプロ。
それは知らない人はいない、いや、触ったことの無い人すらいないんじゃないかと思うくらい、おもちゃのなかの王様であるレゴブロックの幼児番。
口にいれても安全な、拡大サイズ。
カラフルなブロックと、人形、動物など。単純ながらバリエーション豊か。
誰でも一度はどこかで遊んだのではなかろうか。
我が家のパパも例外ではなく、レゴで遊んだ記憶はあるらしい。
そういえば、我が家のデュプロは2歳の誕生日に、パパが是非にと奮発して買ったやつだった。

日曜日の朝だったか、私が朝御飯の支度をしてるなか、パパは娘とデュプロブロックを始めた。
着替えもせず、作り始めた遊園地。

通称『パパランド』

前にも公園を作っていたのが娘とパパの記憶にあり、パパは、今度は縦に伸びるすごいものを、といつになく意気込んでいる。2階建て、3階建てと、高さを出し、スーパーマリオも真っ青の、回る柵や、滑り台がついてたり。クマ専用の車があったり、どこまでが娘のアイディアなのか、パパの独創性なのか。2人のワールドが全開の作品が、ただのみどりの板だった上に、次々に出来あがっていっていた。

こんなとき、娘は誉め上手だ。
「えー!こんなのも出来ちゃうの!パパすごーい!」
黄色い声を受けて、パパは、新たなブロックの可能性を引き出すべく、ますますどんどん独創的なものを作っていく。

パパが作って娘が誉めるという構図、なんだか私には新鮮に見えた。

完全に、パパ主導型の遊びなのだ。いつも私が娘とブロックをやるときは大きいものを作るのは娘にほとんど任せて、私は誉めたりサポートや作るにしても小さいものを作っているのだが、パパはメインを解説しながらバンバン作っていく。
よく見ると、娘はずっと同じ人形を持って移動させながら、そんなパパを見てるだけの時もある。

同じブロックでも、関わりかたが違うと娘の動きも違うんだなぁ。
そして、パパとのブロック、すごく楽しそう。
ダイナミックな、予想外の組み立てかたが、娘にとって純粋に面白いのだろう。
通りがかりのママに、事細かに説明して自慢する娘。あくまでも『一緒に』、作ってるんだなぁ。

出来上がったパパランドは「壊さないで」と言われて、3日4日床を占拠し、ごっこ遊びに使われ、少しずつ改装された。

改装しても「パパランド」という名称は変わらず、「パパとくつった(つくった)の」と、何日も舌足らずな口が嬉しそうに教えてくれた。

パパがいなくても、パパランドで遊んだ時間は、パパと遊んでいる気持ちになれているのかもしれないなぁ。ちゃんと、そこにパパの存在感がある。

後日……パパを起こす娘の姿。

「一緒にパパランド作ろうよ」
いつも朝はママだけを、ダイブしながらたたき起こすのが常だったのに、自分からパパを起こしにいってる!
しかも、いつもはギリギリまで寝ているパパが、かわいい娘の頼みとばかりすんなり起きて、一緒に作り始めている!

会社に行かなきゃというパパを、名残惜しそうに引き留める娘。

そんな光景が朝から繰り広げられて、ママは嬉しかった。

ママがいい、といわれて続けても、実はそんなに嬉しくない。それより、パパと娘が仲良く楽しそうにしているのをみるほうが、実は嬉しい。
自分の大変さの軽減が嬉しい、ということも無い訳じゃないけど、家族が仲良いのをみるのが好きなのだ。

平和を感じるのだ。

その意味で、デュプロブロックの役割にひそかに感謝と尊敬の念を抱く母なのであった。単純ながら、大人も子供も繋がれる。きっちり作ってもおおらかに作っても良い作品になる。作品はそのまま遊びの土台になるし、遊び方は無限大。ロングセラーなわけだ。

これからも、娘とパパの楽しい気持ちの共有を、たくさんたくさん積み重ねていけたらいいな。




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