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古典作品の考察・感想・紹介記事

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古典作品に関するちょっとした考察、本の紹介など。
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記事一覧

怪談『牡丹灯籠』―圓朝作の特徴について考えてみた

はじめにカランコロン…と下駄を鳴らし、女中に牡丹の花の模様のついた灯籠を持たせて、夜毎…

小鈴
10日前
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『曽我物語』―「曽我の紋づくし」と御所五郎丸

このところ、曽我物の芸能をいくつか観る機会がありました。そんな中で、講談『曽我物語』の「…

小鈴
9か月前
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講談の出典研究は可能か、という話。

講談を習うなかで、その文言・詞章の出所が気になることがあります。 たとえば、弁慶と牛若の…

小鈴
11か月前
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『義経千本桜』と安徳天皇

『義経千本桜』二段目の主題・理解について、備忘的に書き連ねています。ご専門の方にはお目汚…

小鈴
2年前
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語りで聴く「女殺油地獄」―蜃気楼龍玉師の落語版に思う

近松門左衛門の傑作のひとつに、『女殺油地獄』がある。享保六年(1716)に人形浄瑠璃として竹…

小鈴
1年前
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空間を支配する語りの力―「続いざ龍玉」感想にかえて

様々な語り芸を聴く中で、「微動だに出来ないくらい惹き付けられる」という経験をすることがあ…

小鈴
1年前
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日常を横切る怪異―旭堂南湖著『滋賀怪談 近江奇譚』を読んで

私が講談を教わっている旭堂南湖先生が、今年3月に『滋賀怪談   近江奇譚』(竹書房)を出版されました。読了しましたので、感想(と勝手な紹介文)を書きました。気合いを入れて書いた結果、ガチガチのレビュー文体になってしまいましたが(汗)、すでにお読みになった方にも、まだお読みでない方にも、魅力が伝われば嬉しいです。(5月8日加筆修正) はじめに 『滋賀怪談   近江奇談』(竹書房、2023年3月)は、滋賀県出身の講談師・旭堂南湖先生の書き下ろし実話怪談集です。(コンセプトや目