見出し画像

『映画を早送りで観る人たち: ファスト映画・ネタバレ-コンテンツ消費の現在形』/稲田豊史 | まぁそんな人達も多いだろう…っていう…

映画を早送りで見たことはないけど、見る人もいるだろうな〜とは思ってた。

というのも、最近は面白いエンタメが多すぎる。サブスクに電子書籍、SNSで大量にいろんな人からオススメされる時代なんで、映画なんて長尺のコンテンツ、ゆっくり見てられないんだろうな〜とは思う。
自分では早送りしない理由は、若者でもないし、長年の慣習として、映画はじっくり見るべし、と単に癖になってるだけで、深い理由はない。いい映画はじっくり見たいけど、邦画のスローモーション演出とか正直飛ばしたくなるような映画はたくさんあるよな…

この本の著者は、映画を早送りで見る若者を批判するわけでもなく、あくまでフラットに議論のテーブルに載せたい事実のみを書いた、と言っている。

ただ、あとがきでは映画を早送りで見るなんて正気か?と言っているので、おそらく批判的な気持ちは多少持ってるんだろう。
でも可視化されてないだけで、ミステリー小説の犯人を、ページ飛ばして先に見る人だってSNSがない時代からいたし、個人的には批判的というより、やっぱり「昔からそ〜いう人はいたよな」くらいの気持ちだ。

コンテンツを鑑賞と消費に分けているのは確かにと思った。自分も消費している部分はある。『ラーメン発見伝』のあの名台詞、「ラーメンを食べてるんじゃない、情報を食ってるんだ!」を思い出す。

(C)河合単・久部緑郎/小学館


しかし、説明的なモノが増えたことの例に『鬼滅の刃』の炭次郎のセリフ「下が雪でよかった、雪じゃなかったら〜」を例として挙げてるのはどうだろう。炭次郎は単に説明的なキャラなだけじゃないか?「長男だからよかった」みたいに何かと喋る(考える)主人公なだけじゃないかな…と思った。ラノベの長いタイトルも、説明的というより2chのスレみたいなもののイメージしかなかったから、その辺りの例えに違和感があったな。

1番驚いたのは、映画を早送りしたことはある人は多いけど、それは一度でも早送りをしたことある人まで含めた統計で、毎回早送りする人はけっこう少なかったことだ。なので、みんな思ったより早送りしてないとむしろ思わされるデータがあった。

そもそも別に自分は早送りしないんで、人が早送りしようが別に気にしないし、そんな説明的なコンテンツが増えても、それが面白ければ見るし、面白くなければ見ないだけのこと…ただいろんな早送りしている人のインタビューがあるんで、それは生の声って感じで面白かったな…若者の気持ちが知りたい人はぜひ!

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?