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雲南日本商工会通信2023年9月号「編集後記」
仕事でそれなりに輝いている日本人は、誰しも2~3年の「がむしゃらの時期」をくぐり抜けている気がします。
大学受験のときも必死で頑張るものですが、受験は「自分事」なので、やりたくなければやめれば済みます。しかし仕事の場合、「責任」が課せられている以上、途中で放棄することができません。
「やりたくないのに、歯を食いしばってやり遂げる、あるいは失敗する」ことで一皮むける瞬間があり、それが後の仕事に活かされるというわけです。
中国でも、北上広深のような一級都市で働く人なら、同様の体験をした人が少なくないのではないでしょうか。ところが昆明の場合、常春の気候のせいか、そういう人が極端に少ない印象です。
私は昆明の「知識産業」に属する地元会社に所属していますが、みんな地頭のいい人ばかりです。それなのにダラダラ度が半端なく、言われた仕事をこなすだけ。また、定時にさっさと帰るわりには、出社時も朝食をモグモグ食べつつスマホをいじりながら、1時間かけて仕事モードに切り替えます。昼休みは2時間弱ぐらい……。
管理層も、マネジメントの経験もスキルもないゆえに放置状態。せいぜい「チームビルディング」と称してカラオケに連れていくことでお茶を濁します。あるいは結論の出ない長い会議を開きます(それにも関わらず、なんとなく事業が継続できているのは、競合他社も同様だからと推測します)。
そんなわが社にも、「がむしゃらの時期」を何年も過ごしている人がいます。それは経営者です。社長は24時間、仕事のことで頭が一杯で、その焦燥感が態度からも伝わってきます。
私はデザインを提案するという仕事柄、経営者と話をすることが多いのですが、彼らもまた、のきなみ「がむしゃらの時期」を過ごしています。
私が昆明にやって来た2009年と比べると、社員の性向はほとんど変わらない一方、経営者の心理的負担は激増している印象があります。
「そのうち昆明から経営者がいなくなるんじゃないか」「経営者が寝そべり族になるんじゃないか」とさえ思う今日この頃ですが、未曾有の不景気がさらに長引けば、また違った景色が見られることでしょう。今のところ想像もできませんが……。
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