ピカソに花束を！

絵: Pablo Ruiz Picasso

I paint objects as I think them, not as I see them.
私は対象を見たままにではなく、私が思うように描くのだ。パブロ・ピカソ

だそうですが、ピカソは何を思って描いていたのでしょうか？想像できないので、ピカソの生涯について調べてみました。

パブロ・ピカソは、1881年10月25日にスペインのマラガで生まれ、1973年4月8日に91歳でフランスのムージャンで亡くなりました。結構、長生きしました。

創作意欲も亡くなるまで衰えず、『私が思うように』、描き続け、生涯に約14万7,800点もの作品（内訳は、油絵と素描が1万3,500点、版画やエッチングが10万点、挿絵が3万4,000点、彫刻と陶器が300点）を制作しました。かなり、やばいです。

しかも、『思い』が半端でなかった。「キュビスム」という新しい美術表現を創造し、20世紀最大の画家と評価されています。1937年『泣く女』は、ピカソの愛人であったドラ・マールの肖像画ですが、彼女の感情や苦悩を表現し、私たちの心を揺さぶり続ける名作だそうです。確かに、わけが分からない、、やばいです。

キュビスムだけでなく、ピカソは時期によってテーマや作風が変化するカメレオン画家でした。それぞれの時代の代表作を紹介します。

＊青の時代（1901年～1904年）
　1902年『海辺の母子像』
＊バラ色の時代（1904年～1906年）
　1905年『花のバスケットを持つ裸の少女』
＊キュビスムの時代（1907年～1917年）
　1907年『アビニヨンの娘たち』
＊新古典主義時代（1917年～1925年）
　1922年『海辺を走る二人の女』
＊シュルレアリズムの時代（1925年～1937年）
　1937年『ゲルニカ』


でも、どうして？ピカソは生涯描き続けるハムスター画家でいられたのでしょうか？

一般的には、彼の好奇心と探究心、そして常に新しい表現を求めた姿勢が、彼の創作活動の源泉だったと言われています。ピカソは他の芸術家との交流や競争、自分の身の回りの女性や社会的な出来事など、様々なものを自分自身のインスピレーションに換えて、絶えず創作意欲を維持したようです。

でも、『泣く女』を見ていて思ったのですが、自分はピカソを創作に駆り立てたのは、好奇心や探究心というよりも、芸術世界への支配欲ではなかったかと思います。滅茶苦茶こじつけますが、女性を泣かせる人は自分にとっては『皇帝』のように振る舞う人です。

実際、ピカソは歴史上の皇帝たちと同じように老若婚でした。ピカソは4回結婚しましたが、最初の妻オルガ・コクロワこそ6歳年上でしたが、2番目の妻ジャクリーヌ・ロックは45歳年下、3番目の妻フランソワーズ・ジローは40歳年下、4番目の妻マリー・テレーズ・ウォルターは28歳年下でした。

ちょっと、歴史上の皇帝たちとピカソを比べてみます。まずは、ユリウス・カエサル。政略結婚したクレオパトラ7世とは31歳差でした。続いて、ナポレオン・ボナパルト。ナポレオンは、当時45歳のジョゼフィーヌが高齢のため子どもが出来ないと確信し、41歳の時にヨーロッパ随一の名家であるハプスブルグ家のマリー・ルイーズ19歳と結婚、22歳差でした。
日本人だって負けてません。豊臣秀吉です。秀吉51歳の時に21歳の淀君を側室に迎えたとされています。30歳差です。
ついでに、哲学の覇者 ソクラテス。推定ですが、ソクラテスは52歳の時に15歳のクサンティッペと結婚、37歳の年の差婚だったと考えられます。喜劇王 チャップリンも、54歳の時に18歳のオーナ・オニールと結婚、36歳差でした。
最後に、第45代アメリカ合衆国大統領 ドナルド・トランプです。メラニア・トランプとは24歳差です。


かなり横道にそれてしまいましたが、女性を泣かせただけでなく、あらゆる点で、普通の人とはかけ離れていたピカソは『芸術世界の皇帝』だったと言っても良いように思います。

正直なところ、凡人の自分には、ピカソが何を思って描き続けたのか分からなかったのですが、心の中で、ピカソに花束を送ります。

P.S. ピカソは画家としてだけでなく、詩人としても多くの作品を残しています。ピカソの詩は、彼の絵画と同様に、生命や愛、死などのテーマを扱っているそうです。ピカソの詩の一つを紹介します。1949年に書かれたもので、彼の恋人であったフランソワーズ・ジローに捧げられたものだそうです。

私の心は、
あなたの心の中に住んでいる
あなたの心は、
私の心の中に住んでいる

私の心は、
あなたの心の中で歌っている
あなたの心は、
私の心の中で踊っている

私の心は、
あなたの心の中で眠っている
あなたの心は、
私の心の中で目覚めている

私の心は、
あなたの心の中で生きている
あなたの心は、
私の心の中で死んでいる