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小さな事業を長く続けるコツ その1「在庫を抱えない」

私は16年前に父親のやっていた小さな個人事業を手伝い始め、その後その事業を引き継いで、現在まで何とか小さな工場を経営を続けてきています。

その間、いろんなピンチがありました。
リーマンショック、東日本大震災、コロナ・・
ここ10数年で、「100年に一度」と言われるようなことがいくつも起きました。

その都度、同業のいろんな工場さんが倒産、廃業していくのを見てきました。
私の事業も決して順風満帆というわけではなかったですが、上記のようなピンチを何度もくぐりぬけてきました。
その経験から様々なことを学び実践してきたことで、今後も継続してやっていけるだろうという自信もついてきています。

今回は、約16年の小さな工場の経営を間近で見て、あるいは自分でやってみた経験から、小さな事業を長く続けるコツについて書いてみたいと思います。

在庫をできるだけ抱えない

これは、父親から口を酸っぱく言われたことになります。
それは、父親の体験から来る言葉でした。

それは、父親がまだバリバリと仕事をしていた、30年以上前の話のこと。

モノづくりの事業というのは、1年を通してずーと忙しいというのはまれで、忙しい時期と暇な時期が波のようにやってくるということがほとんどかと思います。

祖父や父が経営する会社も、その例にもれず、
春~秋にかけて忙しく、秋~冬は暇、そしてまた春には忙しくなるというような、繁忙期-閑散期の波がありました。

モノづくりをしている工場というのは、仕事がないというのを特にいやがります。
設備や人を遊ばせておくのがもったいないというのもありますが、それ以上ん職人たちの腕や士気が落ちるからです。
職人というのは、なんだかんだで物を作っている時が一番楽しいものです。

そこで、閑散期にある程度の見込みで来期分の生産をすることになったのでした。

暇になる秋ごろに資材を仕入れて、商品をどんどん作ります。
そして、営業をかけて、通常より安い値段で販売をしていたのです。
何年かは、うまくいったようですが、徐々に問題も出始めました。

・積みあがっていく在庫の置き場所問題
・手元のキャッシュ(現金)が、不足しがちになること
 (商品を現金化するのに時間がかかるため)
・薄利多売になり、利益がほとんど出ない

そして、最後には積み上げていた商品のニーズがなくなり、大量の在庫を廃棄することとなったのでした。
トータルで見たら、大赤字。
この時のことを振り返りながら、「何もせずに遊んでいたほうがまだ良かったよ~」と父はぼやいていました。

この時の経験から、
「受注生産、材料は顧客からの支給、現金取引」
が父親の工場経営をする上での鉄則となったのでした。


私も経営するようになり、「受注生産、材料は顧客からの支給、現金取引」は、めちゃくちゃ堅い商売のやり方かなと思っています。
但し、これでは大きく飛躍することも難しい・・

この辺りのバランスをどうとっていくのかが、今後の私の課題の一つでもあります。









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