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<Caution!>この記事を見るな!「カメラを止めるな!」のネタバレを容赦しない

社会現象となりつつある話題作「カメラを止めるな!」
それを観た者たちは口々にこう言う。

「ネタバレを見てはいけない」

「全情報をシャットダウンして観に行け!」

実際見てみると確かにネタバレしないほうがいい。そしてそれ故に
モラルを尊ぶ人々は口をつぐみ「ポン!」という奇声を発しているのが現状だ。

しかし私は語りたいのでネタバレどころか映画の内容を全部書く。
なので映画未見の方は、見るな。私の感想を読んでどうなっても責任を負いません。「おれはwikiのあらすじ欄で予習しないと何事も怖くて踏み出せないぜ!」という方には是非読んでほしい。


以下ネタバレを止めない
私の感想を待ってくれてる人たちのみスクロールせよ










この映画を一言でまとめると「ワンカットゾンビ映画を撮るクリエイターたちのコメディ」である。


最初新しいゾンビ映画とかなんとかかんとか言われてたの聞いたので怖いのやだよぉと思っていたが実際は観客みんなが笑顔になるコメディで良かった。ホラー要素は全くないしゴアシーンも安い生首セットがでるくらいでお子さんにも御安心です。そんな楽しい内容を順に語っていこうと思う。

この映画は二つの映像で成り立っている。
一つは主人公たちが撮る映像作品(つまり劇中作)である「ONE CUT OF THE DEAD」。
もう一つは主人公・日暮らの熱きクリエイション魂が描かれる「カメラを止めるな!」である。

ONE CUT OF THE DEADの内容はというとまず劇中ゾンビ映画の撮影チームの姿が映る。最初に移るのはゾンビ役の若い男なのだが彼のメイクの時点で全く怖がらせようという意思が感じられないのがグッドだ。顔がなんか緑っぽく塗ってるだけの今時清々しいまでのチープ演出。この映画いきなりゾンビ男の顔のアップから始まるのだが全然びっくりすらしない実にご安心仕様である。怖くないホラーが大好きだ。

ヒロインがキャーキャー言って斧をふるったところでカット。42テイクもやってる。実際この二人の演技は素人目から見ても大根としか言えないので納得できる。(本当にこの役者さんたち大根っぽく演じるのがすげぇ上手い)
リアリティ志向の監督が乱入してくる。静かにおらつくが徐々にエスカレートして壁を叩く細やかな描写よ。ヒロイン役の女優の人生を否定したり若い男優をビンタしたりした監督が出ていくと休憩に入る。若い男とヒロイン役はデキてるっぽい描写を挟みながらメイクさんと尺稼ぎの会話。そうここであれである。

ポン!である。

ここで巷の話題のポン!が初登場だ。その実態とは「後ろから羽交い絞めされたときに抜け出す護身術」!発声がじゅうようらしい。

そんなこんなで撮影班の一人が外でゾンビ化し助監督が腕を食いちぎられて死ぬ。このゾンビその1は口からなんらかの液体を噴射して攻撃してくるぞ。助監督とヒロインが顔面にぶっかけられるシーンはリアルだったなぁ。そして助監督は噛まれたのか謎の液体が効いたかでゾンビ化したので若い男によって外に押し出される。ここらへんでヒロインと若い男とメイクさんが主要パーティだなとわかってくる。

ところでさっきから入口付近に黄色い服のスタッフがずっと座ってたのだがこの男ゾンビが入ってきたり助監督の死体が蘇ったりした騒動の間もじっと石のように座っていたのだ。気になるというかもうホラーかと思ったよ。そして発狂してそうな監督がカメラ持って入ってきてリアルな画を撮りたいからゾンビ召喚儀式をしたとか過去語りを始めるとついに黄色いやつが動いた!何度も呻くように「ちょっと…」と言いながら外に出ようとする。これには黒幕の監督もなんかヤバそうに引き留めるが
「ちょっとッッ!!!!!」
ただごとならぬ絶叫とともに強引に監督を突破する黄色いやつ。画面外から聞こえてくるヤバイヤバイヤバイ!の声が否が応でも不安を煽る。ホラーの定石だまさに。

そしてここで監督がおそらく決め台詞を言う。
「カメラは止めない」
カメラ目線だし口調が役者さんの素っぽい。

フェードアウトした監督をよそにメイクさんは二人のけがを確認していく。けががないことはいいことだ。
三人の中でメイクさんが冷静で的確な判断力を持っており覚悟を決めつつあるのがうかがえる。
そして向こう側の扉がドンドン叩かれ三人が向かっていくと叫び声が聞こえる。心配するヒロインのやさしさを汲んだメイクさんは斧を構えて開けるよう促す。頼もしい。
扉を開けると監督がまさかのゾンビその1を羽交い絞めして連れてきていた!何たる映画完成にかける狂った覚悟か。アクションの再開だ!

しかしすでに覚悟を決めたメイクさんはゾンビその1の首をはねるし男は角材で監督を叩いた。(画面に飛び散った血を乱雑に拭う手が映る。こわい)車でこんな山からさっさと脱出だ!しかしエンジンキー…?!この車にはエンジンキーがいるのか!鍵は助監督が持っているという話になったらすぐさま駆けつけてくれる助監督は死人の鑑。そして監督もすぐに復活をはたしアクション!カメラが倒れてヒロインとゾンビの攻防が画面外で描かれるという臨場感ある演出が光る。

なんやかんやあって助監督からポーチを奪ったヒロインは若い男に助けられいざ脱出かと思いきや何故か屋内に戻った。けががないか確認パート。しかし今回はヒロインが足をけがしているのだ!その証拠に傷口がバッチリカメラに映っている。
「だいじょうぶ私は冷静だから」
メイクさんは冷静を通りすぎて冷酷な判断を下す。あの優しかった…みんなの気遣いをしてポン!を教えてくれたメイクさんが……。

若い男はデキてるヒロインを守護るため男をみせる。
もみ合いのすえ後ろから羽交い絞めだ!この拘束にはメイクさんもおとなしくならざるを得ない。

「ポン!」

効かぬ!メイクさんダッシュ!外へ逃げたヒロインを追跡。メイクさんキック!群がるゾンビの腹にヤクザキックで蹴散らすぞ。ヒロインの逃げ場は屋上にしか無し!階段の隣のドアが開かれ思い出したかのように監督がアクション!ずっと待機してたのか。メイクさんボールブレイク!黒幕たる監督も流れるように撃破だ。

屋上でヒロインを処刑せんとするメイクさんを若い男が正面から立ち向かう!これならポン!は発動しない!
……
腕を捻りあげられた。
「痛い!痛い!カメラ止めて!」カメラは止めないって言っただろう。
そしてここからだがヒロインがキャーキャー言いだす。尋常でなくキャーキャー言ってる。あからさまな尺稼ぎだが画面外では

「ポン!」

「ポン!」

恐るべき激闘を制したのはどんなマジックを使ったのか若い男。メイクさん斧で頭をかち割られていました。
「近づかないで」的なことを叫ぶヒロイン。これはよくある一線を越えた人類側キャラへの拒絶感と同時に自分が感染しているかもしれないから遠ざけるという心理が垣間見え上手い。

小屋に入るヒロイン。噛まれたと思った足のけがは最初の撮影のメイクでありシールみたいにペりぺり剥がれた。メイクさんの死は無残である。なんかゾンビの足みたいのが映った気もするが何事もなくヒロインは小屋からでる。

小屋の脇に斧が自生しているではないか!
「こんなところに斧が、ついてるわ」
この斧超助かる!

早速屋上に戻ろうとするがさっきフラれた若い男はなんかウロウロと行ったり来たりしている。特にイベントなく感染していた。本物のゾンビになったわけだ。そして冒頭の撮影のシチュエーションを今度は現実で繰り返す。
突然メイクさんが立ち上がるホラー演出を交えつつ
「やめて!」と叫ぶと監督「やればできるじゃないか!」若い男ゾンビは監督を襲うことなく肩を並べている。二大怪人襲撃す。

ここらへんのヒロインが声をかけるとゾンビが止まるがまた動きだすのを繰り返すテンドン描写好き。
そして映画の脚本通り「愛してる…」の台詞。映画の脚本と違う男を斧で殺す展開。脚本関係なく監督を殺す。ヒロインは全てやり遂げました。
そして同時に全てを失ったヒロインは儀式に使われた血の五芒星の中心に立ちエンドロールに入る。

「ONE CUT OF THE DEAD」はこれで終わり。
次は一か月前の出来事。
「カメラを止めるな!」の始まりである。

「カメラを止めるな!」はさっきの映画の製作秘話であり演じていた人たち・裏方だった人たちがここで明かされるのだ。

日暮:狂った監督の正体。再現VTRとかを作ってる人間で泣きの演技に目薬を使うのも許してしまう
   質はそこそこの製作者。

日暮妻:メイクさんの正体。役に入り込みすぎるあまり業界を追放された元女優。TVで護身術を学んだり
    夫の本を読んだりするのが趣味。ポン!

日暮娘:裏にいた人。映画監督志望のADで泣きの演技に目薬を使うのを決して許さない熱意溢れる妥協
    なき製作者。

神谷:若い男の正体。意識高い若手俳優で納得いかない脚本のガバには反論するめんどくさい人間の鑑。
   その無駄にストイックなところから日暮娘は彼のファンだ。
   それにしても劇中の若い男が主人公だったとは思わなかった。

松本:ヒロインの正体。自分では全然大丈夫なんですけど事務所がOKだすかわからなくて演技に制約が
   でてしまう人間。事務所NGなら仕方ない。泣きの演技に目薬を使うのは当たり前な女優。

黄色い服:黄色いやつの正体。スキンヘッドと黄色い服が目印。お腹を壊すので軟水しか飲めない。
     これは体質だから仕方ないしメール送ってるにも関わらず配慮できないスタッフが悪い
     のだがスタッフのミスに乗じてねちっこくマウントをとってくる。そういうとこやぞ。

眼鏡:助監督の正体。劇中ではまともな台詞が少なかったのでわからなかったがやたら甲高い声の
   持ち主。他のキャストにしばしば威圧される小者だが自分の出番は死守するガッツがある。

アル中:ゾンビその1の正体。年長者で日暮とも付き合いが長いようだ。

いい男:本来監督役をやるはずだった男。二枚目俳優のオーラを放っている。乳幼児への優しさを
    見せる。

子連れ:本来メイクさん役をやるはずだった女。夫とマネージャーの都合がつかないため顔合わせに
    我が子を同伴。預かってもらえるって言ってるんだから預けようね。赤子はどうしても泣いちゃう
    からね。いい男と仲がいいぞ。

カメラマン:撮影する人。腰痛持ち。

若手カメラマン:カメラマン見習い。眼鏡が似合うホットなベイブ。

日暮は新しいゾンビ専門チャンネルの初回放送記念にドラマを作ってほしいと言われる。
社長さんが言うにはこのドラマには二つのアツアツポイントがある。

アツアツその1:生中継

アツアツその2:1カメで全編ワンカット

白石監督とかの大物だから作れるんやぞそういう代物は。
日暮は「早い安い質はそこそこ」がキャッチフレーズなので当然ながらそんな難しい映像作れないし断ろうと思ったが断われなかった。

日暮娘は父とは対照的に怖いもの知らず妥協知らずである。泣きの演技に目薬を使う軟弱なキッズに熱血指導をするがその保護者のクソババァと揉めて首になってしまう。その様子を日暮は見ていた。どうやら両親が交代で職場に見守りに来ているらしく社会人になってからこういうことされるのはなかなかキツイね。

もうすぐ家をでる娘のことを案じながら日暮は「ONE CUT OF THE DEAD」のキャスト顔合わせに臨む。
神谷がゾンビのリアリティにダメ出しし、松本が吐瀉物をかけられるのを私的にはやってみたいと思うんですよ?でも事務所がNG出しそうだなあ~泣きの演技も生中継だから確実性を考えて目薬がいいんじゃないかな~私的には普通に泣けるんですけどね?よろしくでーすと宣り、黄色い服が硬水を出したスタッフにマウントをとり、眼鏡が神谷にビビり、アル中が震え昏睡し、いい男が職場に赤子を連れてくる行為に理解を示して称賛するアッピールをし、この子泣かないんですよ(母親談)な赤子が吠える。

リハのシーンはいろいろと知ることができてためになるなぁ。POVの撮影ってこういうふうにやるのか。面白い。
その傍らでアル中はアル中ゆえに娘と絶縁してしまう苦悩を日暮に語っていた。手は震えないがいきなり泣き出し身体を震わすアル中。娘の話題にもうすぐ親元を離れてしまう我が子を重ねたかあるいは単にストレスが爆発したかで日暮は飲みながら泣きながら在りし日の娘との思い出の写真を見る。そんななか日暮妻は娘に撮影を見学させたらどうかと持ち掛ける。

撮影当日。多少のトラブルがあっても撮影は続行する。カメラは止めない。日暮娘は神谷の演技を見ようとして夢中だ。
しかし最初のトラブル!いい男と子連れは不倫関係にあったため一緒の車で向かっており仲良く追突事故にあって脱落したのだった。あと黄色い服は眼鏡の水を勝手に間違えて飲むな。
性別と年齢が一致していて本読みが完璧な代役は日暮とその妻しかいない!(日暮妻は暇つぶしに100回本読んでた)最後まで過去の所業から日暮妻の女優復帰は難色を示されていたが娘に持ち上げられて本人はその気になってしまった。当然役者の鑑たる熱意の持ち主神谷は中止を訴えるが日暮は
「作品の前に放送」と言い含める。これは神谷の作品だ、とも。

カメラが回り日暮はアドリブを交えて熱演だ。松本に暴言を、神谷にはビンタを叩きつける。これは俺の映画だ!とも。

一方アル中は差し入れの酒に手を出していた。酔っ払いを介護したことはありますが正にこんな動き方しますよね。スタッフがゾンビその1の出番だというのにアル中の姿が見えないことを訝しみ探し回ると
死んだようにぶっ倒れているアル中の姿が!
試練を突きつけられた監督日暮!苦肉の策として彼がとった行動は二人羽織りシステムだ!システム構築の間メイクさんたち三人はアドリブでポン!していた。ポン!の破壊力に呆然とするスタッフたち。このあたり前半の映像と全く同じ構図で別方向から撮ってるのすごい技術を感じる。

その頃助監督の眼鏡はアル中ゾンビに襲われていた。カメラに見切れてる部分で二人羽織りを行使する日暮!だがその時アル中はアドリブで謎めいた液体を噴射した!あまりの臭さに恐慌状態に陥る眼鏡は半泣きでフェードアウトしていた。その眼鏡は吐瀉物に濁っていた。二人羽織りの補助を得たアル中ゾンビは破竹の勢いで事務所NGの禁を破り松本を液体攻撃する。ガチで録音棒を振るい死にもの狂いの抵抗を見せた神谷の活躍でアル中は締め出された。

そして間違えて眼鏡の硬水を飲んだ黄色いのは恐るべき沈黙を保っていた。ちょっと…を連呼し撮影中に飛び出さんとする腹下り男にマッドな黒幕であるはずの日暮もリアルな演技を保ってきた神谷もみんな下手なアドリブで止めようと必死だ。しかしもう糞は止められない!中止テロップを出さざるをえない最大の危機である。だが日暮は後戻りするという選択を既に放棄してきたのだ。カメラに向かって声が多少上ずりつつもしかしはっきりと言う。

「撮影は続ける!カメラは止めない!」


これはまさに我々視聴者に向けたこの映画からのメッセージであろう。

黄色い服は泣きながら脱糞していた。彼のフェードアウトは思いの外痛かったようだが台本を読み込んでいた日暮娘の采配により黄色い奴をゾンビ化させれば話がつながるとわかった。時間を稼ぐべく例の三人はけがの確認を重点する。黄色い服は涙を呑んで立ち上がった。

その頃アル中の首をはねた日暮妻は件の「役に入り込みすぎる状態」に入っていた。ゾンビを全て殺すと宣言。一見冷静じゃないように見えるが狂人とは理性を失った者ではなく理性以外の全てを失った者だともいうからなあ。
しかしこの車にダッシュするシーン当然ながらカメラもダッシュするので若手カメラマンが転んでしまいましたよ。腰パンには気をつけよう。
バンの後部に乗り込むカメラマン。必然的にしゃがみ姿勢となる。腰は爆発しつつあった。眼鏡と松本の乱闘シーンで松本がカメラにぶつかりトドメをさした。若手カメラマンは千載一遇のデビューチャンスを手にしたわけだ。カメラを手にとった若手ちゃんのはしゃぎっぷりが映像から伝わってきて楽しい。

日暮妻が松本の感染を疑うくだりはアドリブだったとは。脚本にないため安全は保障されない。斧に安全装置なんてついてない。まさに危険人物に刃物である。
神谷はガチの生命の危機にいる松本を守護るため男をみせる。
もみ合いのすえ後ろから羽交い絞めだ!この拘束には日暮妻もおとなしくならざるを得ない。

「ポン!」

効かぬ!松本は全力逃走だ。これがリアリティなんだなあと思った。緊急事態に日暮はゾンビ戦闘員をけしかけてしのごうとする。
ちょうどアル中が覚醒していた。ゾンビその1は既に首をはねられてた気がするがアル中はわけもわからずゾンビ演技を行う。ヒロインを驚かすゾンビ!そっちじゃない。
アル中が吹き飛んだので次は眼鏡が立ち向かうが同じようにヤクザキックで斃される。ついに日暮自身が階段横のドアから飛び出して妻に立ち向かう!アクション!だがつよい。

そして屋上に日暮も日暮娘も駆けつけての決戦。家族の始末は家族がつける!熱い展開をぶち込んできますね。正面から立ち向かった神谷は痛い痛い!カメラ止めて!になるがカメラは止まらないんだ。しかしここで俯瞰撮影用のクレーンが破壊されてしまう。災害そのものだ。松本のキャーキャーで時間を稼ぎ親子が止める作戦。

ここの日暮妻が歩みを進めるときに斧をくるっくる回すシーンが本当に個人的アツアツポイント。観客みんなが爆笑してた。
そんな刃物を持った危険人物に日暮親子は後ろから羽交い絞めだ!二人がかりの拘束には日暮妻もおとなしくならざるを得ない。

「ポン!」

効かぬ!だが諦めない親子!再度後ろから羽交い絞めだ!二人がかりの拘束には日暮妻もおとなしくならざるを得ない。

「ポン!」

効かぬ!だが諦めない親子!三度目のポン!が炸裂してしまうのか……と思いきや裸締めだ!この拘束には日暮妻もおとなしくならざるを得ない。

落とした妻の頭に斧を刺すメイクを施す。小屋の松本にカンペを出して新しい斧を拾わせるシーンでも観客は笑顔になっていた。

「こんなところに斧が、ついてるわ」

そして最後の問題。ラストカットからエンディングの俯瞰映像はクレーンがないと撮れない。高さ4mは必要だ。
ここでプロデューサーに気持ちをぶつける日暮の台詞、その圧倒的メッセージ性よ。「放送の前に作品」「見てんでしょうが!」そう視聴者は見ているのだ。人類を嘗めるなよ!
結局折れかかった日暮を支えたのは「あるもの」を見た娘だった。

クレーンの代わりの人間ピラミッド。小学校に救う害悪、現代の社会問題であるピラミッドをこう使うか。プロデューサーも巻き込まれてらぁ。
気絶していた日暮妻が突然立ち上がるホラー演出があったりしたが神谷・松本のテンドン芸で時間を稼いだ。

ピラミッドの最上段に上る日暮親子。それを見守る日暮妻。「あるもの」に絡めた伏線が美しい。そして俯瞰映像が撮れ、放送の成功を差し引いても酷い目にあった人たちだがみんなの顔には笑みが。このハッピー性がクリエイター賛歌なんだなあと思いました。


これは様々な偶然が重なって生まれた物語。
大ピンチ!スネ夫の答案やマグロ・サンダーボルトが好きなのでこういうのを求めてたのだ。

こうして最後まで流れで語ってスッキリしている。
これ以上詳しく知りたい人は映画を観るかWikipediaのあらすじ欄とか読んだうえで映画を観るかしていただきたい。
すげぇ楽しかった。

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