中小企業のトップが自己保身に走っていないか
中小企業のトップは上場企業のトップに比べて、在職期間が長い場合が多いです。
理由は様々です。
創業者であること
創業者に評価されたこと
従業員数が少ないこと
他にふさわしい人物がいないこと
上場企業は株主の監視が効いていること
上場企業はトップになる候補がたくさんいること
様々な理由がありますが、中小企業のトップは在職期間が長いです。
在職期間が長いことはメリットにもデメリットにもなります。
一時期、日本の首相は毎年のように替わっていました。
G7サミットのたびに異なる首相が会議に参加します。
首相がすぐに変わるので、政策が長続きせずに目標と計画と実行と結果がバラバラでした。
小泉政権や第二次安倍政権は長期政権だったので、課題に対して真正面から取り組むことができました。もちろん負の部分もありましたが。
というようにトップが長い期間い続けることは、メリットもデメリットもあります。
中小企業においても同じことが言えるでしょう。
会社がすぐに良くなることはありません。
大きな目標に向かって、ひとつずつ目の前の仕事をしっかりと行うことで徐々に会社は良くなっていきます。
会社が良くなりだすと、そこで働く従業員もやる気を感じ、さらに会社が成長します。良い循環が回ってきます。
ここでさらに大きな目標を掲げられるかが中小企業が成長するかどうかの分かれ目です。
しかし多くの中小企業は同じトップが居続けるので、さらなる大きな目標を掲げられないか、もしくは掲げたとしても、トップの独りよがりの目標になってしまいます。
なぜこのようなことが起こるのか。
トップは現場で結果を出してきたから今の位置にいる人が多いです。しかし、自分がトップになって会社が成長した時に、その成長はトップ自らが現場でがんばったからではなく、現場の人たちががんばった結果です。
今までの成功体験とは異なる成功にトップは戸惑います。
現場にいたころと比べると成長の実感が湧きません。
なので、新しい目標を掲げるときにトップは自分が実感できる目標を掲げてしまいます。しかし、その目標は成長した今の会社の目標とは大きく乖離しています。
非現実的で、非現代的で、非現場的で。
新たな目標は誰の心にも響かずに虚しく宙を漂います。
トップがどれだけ熱く語っても誰にも伝わりません。
大きな違和感しか残りません。
こうなると、せっかく今まで成長していた中小企業は下り坂に入ってしまいます。ここでトップが交代するか、もしくはトップの考え方が変われば下り坂は一時的で終わります。
しかしトップは交代しません。トップの考えは変わりません。
なぜなら成功体験があるからです。
成功体験がトップの交代や考え方の変化を拒みます。
トップが自己保身に走ってしまいます。
良かったら自分のおかげ
悪いのは従業員のせい
自分の言うとおりに動かないからこうなるんだ
とトップは考えてしまいます。
ここまでくるともう下り坂を加速度的に転げ落ちるだけです。
トップが長期政権か、そしてトップが自己保身に走っていないか。
中小企業がさらなる成長に進めるかどうかのポイントです。
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