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多品種少量生産のアイドルグループ

出勤前に家で朝の情報番組を見ていると、
「○○のフェスで人気アイドルが大集結」
とアナウンサーが紹介していました。

男性も女性も
日本だけでなく韓国アイドルも
確かにたくさんのアイドルが登場していました。

今年48歳の私には、もう顔の見分けがつきません。
グループの違いだけでなく、同じグループ内の人の顔の見分けもつきません。
「歳を取ったな」と感じさせられます。

しかしよくこれだけアイドルが次から次に生まれてくるなと思います。

私が若いころのアイドルと言えば、
男性グループでは
少年隊、光GENJI、男闘呼組、SMAP、TOKIO、KinKi Kids、Ⅴ6、嵐
でしょうか。
すべて旧ジャニーズ事務所になってしまいました。

女性グループでは
おニャン子クラブ、モーニング娘、AKB48
でしょうか。
少ないですね。

でも、アイドルと言えばその時代に1組がトップとして君臨し、そのほかに若干のアイドルグループが活動するみたいな印象でした。

しかし、今の時代、次から次にアイドルがでてきます。
テレビ局がアイドルグループのオーディションからデビューまでの軌跡をドキュメントとして放送するものまであります。
地下アイドルと言われる小さな劇場でコンサートをしているグループもあります。

世の中の商品と同じくアイドルも
「多品種少量生産」
になったんだなと思います。

昔は「少品種大量生産」でした。
少ない商品点数をテレビCMや売り場を確保して大量に販売する。
大量に販売することで製造原価を下げて、多くの利益を確保する。
そのような企業経営が一般的でした。
トヨタのカローラやロッテのガムなどが該当するかもしれません。

しかし今は「多品種少量生産」の時代です。
全員がテレビを見る時代ではなくなりました。
多様化が叫ばれています。
技術の進歩で様々な商品を作ることが可能になりました。
その結果、一つの商品を目一杯プロモーションしてたくさん販売するというやり方はリスクが大きくなってきました。
たくさんの商品を企画して、販売して、売れれば残し、売れなければ廃版にする。そんなやり方に変わってきました。
コンビニという存在がその流れに拍車をかけたところもあるかもしれません。

そしてその流れがアイドル界にも押し寄せています。
たくさんのアイドルが生産され、少しずつ消費され、一つのヒット曲を出しただけでずっと生き残れるわけでもなく、次から次に生まれてくるアイドルにも立ち向かわなければならない。

この流れのはしりはEXILEなのかもしれません。
所属する事務所は次から次に新しいグループを作っていきました。

ただ、アイドルの多品種少量生産について疑問に思うことがあります。
まず、消費されるアイドルはたまったものではない。ということです。
アイドルはモノではありません。ヒトです。
モノならば売れないならば廃版で終わります。
でもヒトは違います。感情があります。人生があります。
売れないからはい終わりで済ませてよいのでしょうか。

「アイドルになるという夢を追ったのは本人なんだから売れなくても自己責任」
と言ってしまえばそれまでです。
でも、芸能プロダクションや制作会社、メディアから使い捨てのようにされるアイドルという存在はどうなのでしょうか?
そんなアイドルにあこがれを抱く若者はこれから増えていくのでしょうか?

次の疑問は、多品種少量生産されるアイドルを追いかけるファンも大変だなと言うことです。
昔なら、このアイドルを追いかけていれば間違いはありませんでした。定期的にCDが発売され、コンサートも開催され、歌番組にも出演し、安心して追いかけることができました。

しかし今はどうでしょう。
次から次にアイドルはデビューします。追いかけようとしたアイドルが埋もれてしまうリスクもあります。たくさんのアイドルグループがいるので、友だちと共有しようにも話題が合いません。
ファンの立場からも今の時代のアイドルはどうなのかな?と思います。

時代と言ってしまえばそれまでなのかもしれません。
でも、アイドルを多品種少量生産するというやり方に私は疑問を感じます。

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