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BOOK ESSAY『声にならない言葉の在り処』

このnoteは【SANBON RADIO No.021】にあわせ書かれたエッセイです。

長く続けていくためにも、イベントが面白かったな。もっと続けて欲しいな。という方は投げ銭代わりにご購入いただけますと幸いです。

※エッセイ全体は4月18日までに掲載いたします。今しばらくお待ちくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。。

ファン・ジョンウンという作家を知ったのは、以前勤めていた書店で入荷本の荷分けをしていた時だった。慌ただしい作業の途中で『誰でもない』という題が目にとまる。何気なく手に取って頁をめくってすぐに「人はしばしば〈誰でもない〉を〈何でもない〉と読み違える」という言葉が心に掛かって、咎められるまで仕事を放って読み続けてしまった。帰りにその本を買い、その日のうちに読み終わって、これは全作品読まなければならない作家だと思った。その時のは作品を読むごとに深くなっている。


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