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【海外における邦人の孤独・孤立に関する実態把握のための調査】

令和6年6月3日。
海外における邦人の孤独・孤立に関する実態把握のための調査の結果が、外務省から公表されました。

詳しくはこちらのURLより
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_00752.html

これは昨年、2023年10月30日(月)~11月20日(月)に実施されたアンケート調査の結果です。

「海外での滞在や生活等に関する基礎調査」のためのアンケート調査への協力のお願いとして、在外公館に届け出を出している日本人として私もメールを受け取り、アンケートに答えました。

メールに記載されたアンケートの趣旨は以下の通りでした。

「外務省は、今般、海外における在留邦人の方々の滞在や生活の現状をより正確に把握するとともに、今後の領事業務の質の向上・改善に向けた参考とするために、アンケート調査を実施することになりました。
アンケート調査にご協力いただける方は、以下の要領でご回答いただきますようお願いいたします。【所要時間は10分程度です】」

ところがアンケートに回答するにつれ、たいへん違和感を感じました。
「あなたは孤独を感じますか?」「人とのつきあいについて」「現地での言語能力」「直近一週間の外出目的」など、内容は個人の「孤独」に関する調査でした。

「在留邦人の方々の滞在や生活の現状をより正確に把握」というにはあまりにもセンシティブな個人的感情、さらに「今後の領事業務の質の向上・改善に向けた参考とするため」という表現と設問の内容はかけ離れています。

ですが。

コロナ後、急な帰任、仕事でもプライベートでも何の引継ぎもないまま渡越した新任者。
リモートでの仕事、コミュニティーのつながりが希薄になってしまった。
コロナを経て、デリバリーやお家時間の充実が原因で引きこもり。
飲み会も一次会で終わり、二次会以降は自粛。
飲食店を営んでいると、以前の活気が失われているように感じます。

さらにホーチミンでは自殺する人が(2、3人とは言え)相次ぎ。

このタイミングで調査を実施したというのも、あながち不適切とも思えませんが。

「一体、それを調査して、外務省は何をどうするというの?」

そしておよそ7か月後、調査結果が公表されました。

【海外における邦人の孤独・孤立に関する実態把握のための調査の結果】

メールで送られてきたアンケートの趣旨の文面と、結果発表における見出しが違うものになっています。

さて。このアンケートがベトナム国内だけで行われたのかと思っていたのですが、世界各国の在外公館に届け出を出している在住者に対して行われたものだったのですね。

回答数は55,420件でした。

この発表を受けて、You Tube 週末海外ノマド「ダイスケ」では、
【海外在住者のリアル="生の声"。「孤独を感じる」45%の裏側を報告します】
で、世界の在住者から、さまざまな意見が寄せられています。

https://www.youtube.com/watch?v=HgD1n2eYrgY

海外在住とひとくくりにしても、国によってかなり環境は違いますし。
各個人の在住目的、在住の状況も違います。
良く言われるのが、「自分が望んで来たのか、そうでないかでは大きく違う」ということです。
また「孤独」の定義も人それぞれです。
日本にいたら「孤独でなくなる」のでしょうか?

そういう意味では、ホーチミンは在住者1万人程度。
最近は生活環境も整ってほぼ不自由を感じず、日本より便利な部分もあり暮らしやすい。
ほどよく距離感が近く、オフの時間も趣味のコミュニティーなどでホーチミンライフを謳歌している人たちが多い。

「帰任したくない」とおっしゃる男性が多い反面、帰任になってホッとしていらっしゃるのは奥様方ということも良く言われることですが。
立場が違えば、感じ方も異なります。

また調査結果では「40代以降は孤独を感じにくくなる」というのは、これは日本においても同様に思います。
年の功で、争いを回避し人と和して生きてゆく知恵、深刻に思いつめない技を身に着けてゆくのでしょう。

ところで。
このアンケート結果が、先にYouTubeなどで取り上げられる状況こそが問題かと思います。

アンケートに協力させるときだけメールを送って来て、
結果公表の案内もなければ、アンケートに回答した人への謝辞のメールもない。

またYou Tubeでは、アンケートの結果ヤブ蛇と言うか、入国管理官(法務省)に対しての苦言も出ています。

結局、各省庁に対する不平不満、批判が噴出したアンケート施行、結果だったのでは?
と思う次第です。

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