勉強が苦手な子供たちが私に教えてくれたこと

私はアルバイトで塾講師として働いている。理由は高時給＝塾講師だと思ってて（そんなことなかった）、他のお仕事より自分が向いてそうだったから（レジ打ちとかむずかしそうじゃん？）。

私が勤務しているのは大手の塾、ではなく個別指導タイプの塾。1：1、多い時は1：3で80分授業。来る生徒はみんな勉強が嫌いで成績は下から数える方が早い。宿題はやってこないことがほとんどだし、授業中は寝るかしゃべり倒すかの二択。

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そもそも私は、勉強は小さい時から得意な方だった。中学受験のために小学生のころから塾に通っていたこともあってか、小学校でのテストは毎回100点。中学生、高校生になっても成績はクラス上位が当たり前。成績表も５が付くし、三者面談で成績がうんぬんかんぬん系は聞いたことがない。だから勉強が嫌いと言う気持ち自体があまり理解できなかった。

だってやれば成績上がるんだから。体育とか、美術、音楽は努力じゃどうにもならない（と思う）。運動神経だったり、美的センスだったり、音感だったり、どうにもならないことが多い。私も体育のセンスは壊滅で、高校のときなんか成績上げるために体育係までしたのに成績表に２がついてた。あの時は人生は不公平だ！！！って嘆いたなあ……

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とまあこんな感じで勉強に関しては「やればできる！」とティモンディ高岸さん兼松岡修造さんで生きてきた。

だから最初のころは全く勉強をしようとしない生徒を見て「え？なんで？」と疑問が浮かび続けていた。勉強が嫌いなのはめ～～～～～ちゃくちゃわかる。でもやらないといけないものだと思っていたから、”嫌だからやらない”選択肢を取ることに理解できなかった。

彼らは中3。もうそろそろ受験に向き合わないとやばい。でも塾に来てしゃべるのはゲームかアニメの話。わかるよ、ゲーム楽しいよね。アニメ面白いよね。でも勉強しないとやばいよ！？！？！？！？！？

12月、本当にそろそろ一回本気で怒らないと受験やばいんじゃ……となっていた時、塾の中でも群を抜いてやる気のない生徒が塾に来てそうそう私に言ってきた。「この前、小テストで満点取れてん」

！？！？！？！？！？！？！？！？！？

何事！？！？！？！？！？？！？！？！？！？！？あんなに1週間前、いや3日前まで受験？何それおいしいの？って感じの子が満点！？！？！？

うざいくらいほめた後、なんで急にやる気でたの？と聞くと、「自分でもわからんけどなんか急にやる気なった」らしい。

な～～～～～んじゃそりゃ！！でもふと私にもそんなことあったなって思いだした。急に片付けにやる気が出たり、体力付けようと急に思い立ったり。きっかけは自分でも覚えていないくらいささいなことで、でも誰にも止められないぜ！？ってくらいやる気が出でいた時のこと。

そしてまたまた気づいた。私たちの役目は彼らが自分でだしたそのやる気を長く続くようにサポートすることだと。学校の教育だとどうしても一律に進めなければならないから個々の生徒にかまってあげられない。でも、個人塾なら個人に合わせて進めることができる。

私はそれからやる気のない生徒にもあまり焦らなくなった。彼らはどんなに遅くても小さくても自分でやる気を出すことができるし、逆にどんなに私が説得してもやる気が1ミリもない彼らには届かない。

私にできるのは、まだやる気のない生徒には丁寧に教えて勉強に関心を持ってもらうこと、やる気が出た後はそれが鎮火しないように支えることだけ。

それに気づいた時、肩の荷がス～～～～～～～っと降りた。働くことが楽しくなった。彼らは彼ら自身の成長を見せてくれると同時に、私までもを成長させてくれた。

しかも、ゲームやアニメのことにすっごく詳しくなった。K-POPにも。それまで興味なかったものがどんどん興味のあるものにかわってきて視野が広くなった。

私は仕事を通して自分の成長を身に染みて感じている。それは紛れもなく生徒のおかげで、もしこれから先どんな職種に就こうともこんな風に自分が成長する場所であったらいいなと思う。それが仕事をする意義だから。

これから受験シーズン本番。楽しんで勉強教えていけたらいいな～～！