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不味いとは?

コミュニケーション

ヘビイチゴについて調べたときに

「ヘビイチゴの実はまずい」
と、ネットではさんざんな言われようだったのだが
「まずい」というのはどんな味なのだろうか。
最初は「にがい」とか「しぶい」とか「いがらい」とか
悪い味がするのだろうと思ったのだが
色々読んでいくとヘビイチゴのまずさというのは
「味がしない」
ということのようだ。
いや、全くの無味無臭ではなく・ほんのりと、かすかに甘いらしい。
考えてみると
自分が今までに口にしたもので一番かすかな甘さというのは
シラカバの樹液で(販売もされている)
次にほんのり甘いのはアケビだった。
アケビの果肉は半透明で柔らかくて、種の方が多い感じ。
強い味に慣れた口には多分おいしくは感じない、と思う。
そういうワケで
自分としては「まずい」というのは「まずい」味がすることで
味がないことではない。
水だってほとんど味がないし。
ちなみに新明解国語辞典(第三版)では
「まずい」は「味が悪いと感じられる状態。」となっている。

「まずい」は漢字で書くと「不味い」だが
こんなもの味じゃないっ!それとも、味不明?
あなたはどうだろうか・・・

味というものは確かに主観だが
例えば「甘酸っぱい」「無味」などの説明と
「おいしい」「まずい」などの評価が混ざりがちだ。
味の評価はあくまでも主観なので
味を伝えようと思ったら
まず的確に説明した上で評価を伝えるのが適切だと思う。

マズイと言えば
北野武のお母さんが強烈な人で
ご飯の時に「これ、ウマいなー」などというと
「ウマいのマズイの言ってんじゃない!」と叱られたそうで。
食べられるだけで有難いと思え、ということだったのだろう。
そうそう
ウチのおじいちゃんがカラオケ仲間とお食事会に行ったことがあった。
会場は奮発して某有名ホテルの和食レストラン。
そりゃあさぞかしご馳走なんでしょうねえ、とおばあちゃんと話していたが
帰ってきて言うには、あんまりウマくなかったとかで。
食事の席で仲間に「あんまり美味しくないなあ」と言ったら
お宅の奥さんは料理が上手なんだねえ!と言われたのだと。
それを聞いた「お宅の奥さん」=おばあちゃんは大笑いしていた。
いやいやいやいや
おじいちゃんは「こってり」「はっきり」した
「濃い味」でないと満足しなくて
お上品な和食だと「味がしなかった」のだと思う。
織田信長かw
そういえば
以前、列車の中で近くに座っていた学生グループ。
一人の男子が「これ、すごく美味しいんだよ、食べて食べて」と
ガムを配った。
それぞれがもらったガムを口に入れて・・・
「ね?美味しいでしょ?」とその子が言うも、みんな妙な顔になっていて
そのうちの一人が
「お前、これマズイよ?」と。
「え、うそー!美味しいでしょ?」と隣の女子に言うと
その女子はものすごく困った顔をして言葉が出ない。
焦りまくるガムの男子に、マズイと言った男子がとどめの一言を。
「お前これ人生最悪の味だぞ!!」
どこの何味のガムだったのだろか。

普段忘れがちなのだけど
味と言うものは、個人の体験なのだなあ。
自分が美味しいと感じたら他の人もみんなそうだと思ってしまいがちだが
たとえ美味しいとは感じても、実はそれぞれの美味しさなのだ。

なにごとの不思議無けれど。

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