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辛い辛いカレー

実用

40年以上家の料理を作ってきたが
一度だけ、食べられない料理を作ってしまったことがあった。
結婚して間もない時、カレーのスパイスセットを見つけて
ちょっと、本格的なカレーを作ろうとやってみたのだ。
クミンシードとニンニクスライスを炒めて・・・ふんふんそれから?
と、説明書通りに作っていったが
ワナは小さな袋に入った「チリペッパー」。
お好みで加えてください、といったことが書かれていて
小さな袋だし・これが付いているってことは
全部入れちゃって・いいんじゃね?
というワケで、小さな袋を開けて・さらっと鍋に投入♪
さて、出来上がって味見をしてみたら(はい、ここ、期待してくださいね)
口から火を噴いて・全身の毛穴が開いた!!
こここここれはこれは食べ物じゃないー!!!
劇物じゃー!!!
ハーヒー!ハーヒー!ハーヒー!

しかしながらおめおめと捨てるわけにはイカナイ。
ナントカして食べられるものにしなくては
鍋に入れた肉や野菜がもったいない。
ここは劇物の濃度を許容限度まで下げるしかない。
たとえ劇物でも十分に薄めれば安全である。
山菜をゆでる大鍋を引っ張り出して
大量の玉ねぎとジャガイモと人参を刻んで混ぜて
なんとか食べられる味の大量のカレーにした。
それでも中辛より辛かったが。
汗をかいて謝りながら二人でなんとか消費した。

この限界激辛カレー事件から学んだことはいくつかあった。
まず、知らない素材に出会ったら・必ず調べるべし。
(チリペッパーがどれだけ辛いモノかを知らなかった)
初めての食材は、使う前にニオイをかいだり味見をすべし。
(チリペッパーくらい辛いと、ニオイだけで辛さを感じる)
(でも、うっかりなめていたらと思うと震える)
「しょっぱ過ぎ」(塩辛過ぎ)たり、辛過ぎたり、何かが多過ぎたら
それ以外の食材で薄めて全体のバランスを変えることができる。

入れ過ぎは「思い込み」で起きた。
科学でも料理でも生活全般にわたって
思い込みは危険である。

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