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マンガ ぼけ日和

読書

「マンガ ぼけ日和」を書店でうっかり見かけて購入。
表紙の「矢部太郎」という名前にひかれてしまった。
認知症の専門医である長谷川嘉哉氏の原案、とある。
これ、絶対に良い本やろ。と確信。
家に帰って読んでみて、やっぱり「当たり ♪」の本だった。
これは要するに
認知症がどのように進んでいくのかと対処法を解説した本なのだが
というより
勘違いをするとか、すぐに怒り出すなどという
認知症の前段階からどのように対処すればいいのかに始まり
次第に症状が進んでいって
やがてどのようにいいお別れができるのかまでを優しく描いている。
「できるのか」というのは
知識が無いばかりに・余裕が無いばかりに
良かれと思って頑張るのにうまくいかない人が少なくないからだ。

この本には色々な事が描いてあるが
要するに

認知症の高齢者は安心させることで穏やかに過ごせる

そのために周りの人たちが

知識を持つこと
余裕を持つこと

が必須なのだ、ということに尽きる。

この本を読んでも
こんなきれいごとなんかじゃすまない!だとか
こんなことやってられない!という方は多いと思うが
なぜ「きれい」じゃないのかなぜ「やってられない」のかを考えると
知識の無さと余裕の無さとに行き当たると思う。
身の回りの何人もの高齢者を見ていて、本当にそう思う。
高齢者というのは、長い人生を過ごして出来上がっているのだ。

高齢者の世話の多くは肉親が担うものだが
肉親同士の長く・濃い関係性ゆえの
世話をする・される立場の逆転と遠慮の無さと甘えによって
どうしようもない困難を抱えてしまうことが多い。
認知症の親を世話する人たちが生まれた時代に比べて
人の寿命は一世代分長くなっていて
90歳を越えた人たち自身が当惑している時代なのだ。
「私、いつまで生きるんだろか」
「もういいんだけど」
そういう、古い時代の常識ではお世話が続かなくなっている今
どうしたらいいのだろか?

この本には認知症の大まかなプロセスが記されているので
大まかにでも先が分かれば不安が小さくなると思うのと
それをほんわかした絵で優しく・易しく描いているので
今大変で疲れている人もこれから大変になるであろう人も
現状から一歩離れて考えることができるのではないかと思う。
いずれは誰しも誰かのお世話になるのだから。

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