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ミステリはペーパーバックで

読書

先日佐々木譲の「樹林の罠」を読んで、うん、面白かった ♪
のだが
なぜかわずかに違和感が。
考えてみれば
ミステリをハードカバーで買って読んだのは初めてだったのだ。
思い起こせば
ミステリとの初めての出会いは中学生の時。
東京創元社のエラリークイーンだったと思う。
1冊目が「ギリシャ棺の謎」で続いて「シャム双生児の謎」
そしてご存知、「Xの悲劇」「Yの悲劇」「Zの悲劇」のシリーズと
それに続く「レーン最後の事件」。
全部文庫版だった。
その後
アガサ・クリスティーやエドガー・アラン・ポー、エド・マクベイン
あたりまでは文庫本で
イアン・ランキンはソフトカバーの新書版だった。
というワケで自分にとってのミステリは
小さくて軽くて柔らかく手に取りやすくてどこででも読める本だったのだ。
さてそこで
件のハードカバー「樹林の罠」ですよ。
この本は佐々木譲の道警シリーズ最新刊で文庫化を待ちわびていたのだが
待ちきれなくなって、もし書店にあったら
あったらさ、あったらだよ?買おうと思って
「月刊ムー」を買いに行ったついでに書棚を探して
「ああ、無いなあ」
と思わせて!
帰り際にもう一度書棚を見たら-あったんですよ(稲川淳二の声で
あー!見つけちゃったら買うしかないじゃないですか!
いや、それはつまり、買いたかったワケで買いたかったから未練がましく帰る前にもう一度書棚を見たワケでそれはつまりは欲しかったんでしょう?
その本が。
というワケで買っちゃったんですね。
帰り道、大事に抱えたバッグの中の「月刊ムー」の大きさとハードカバーの質感を楽しみながらウチに帰ってきたワケで
読書はここからすでに始まっているのだ。
うひひひひ

えへんえへん
話を戻すと、ハードカバーに抱いた小さな違和感というのは
こんなにゴツイ本でミステリを読んだことがなかったことから生じたワケで
これはミステリの持つささやかな娯楽性から来るのではと。
ミステリはお勉強の本ではなく
必須の本でもなく
気軽に手に取るお楽しみの本で
文芸書と言っていいのかどうかよくわからないグレーな立ち位置。
それでもミステリでホントに楽しませてもらったし
ミステリで救われた気がしたことも。
たとえ重厚な作品でも、ミステリはミステリでいてくれよ。

たかがミステリ
されどミステリ


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