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こういう家を建てたいと

いよいよ家を建てるとなったとき
使いやすくて・暖かくて・明るくて…
どういう家にするかずいぶん考えた。
中年すぎてからの新築で高齢の両親とも同居だったので
いずれ高齢者になる自分たちのことも現実的に考えた。
バリアフリーってヤツですな。
その時の考え方を振り返ってみると

便利というよりは不便じゃない
暖かいというよりは寒くない

要するに「ほどほどの」だったと思う。

これは良かった

では改めて新築時にやって良かったことを。
まず、トイレを2つにしたこと。
昔、大人数の家に子連れで遊びに行ったら
そこの家には1階と2階にひとつずつトイレがあって
これはいい ♪ とマネをしたのだ。
ウチも新築当時親子三代でわちゃわちゃ暮らしていたから
トイレ2つは必要不可欠でとても助かったが
大家族じゃなくてもトイレは2つあった方が断然いい。
自分がトイレを使いたいときに
別の誰かが使っている場合はもちろん
例えばトイレを修理しなくてはならないときに
非常に非常にひじょ~~~に、助かる。
片方が使えなくなったらもう片方を使えばいいのだ。
なんでもスペアがあるといいのは確かだが
トイレのスペアというのはなかなか思いつかないのではないか。

それと、玄関先に作った融雪漕。

これは除雪した雪を融雪漕に入れておいて
そこにお風呂の排水を流し込んで中の雪を溶かしてしまう仕組みだ。
お風呂の配水管だけ他の配水管とは独立させている。
(トイレの排水とか入るとマズいでしょ)
お風呂の排水は融雪漕を通って下水管に流れるようになっているから
お風呂の排水は夏も冬もただ融雪槽を通って下水管に行くだけだ。
雪を一度に大量に溶かすことは出来ないが
無理なく毎日そこそこに雪は減らしていける。
ただのコンクリート漕なのでメンテ不要だし
もちろんお風呂の排水なので融雪用の燃費はかからない。

外壁はメンテナンスフリーの材質にした。
ガルバリウムと木の板だが
メンテフリーは楽だ、以外に言いようがない。

玄関には土間を付けた。
外と内の間の大工仕事ができるような作業空間が欲しかったのだが
ここは同時にエアロックのようなものでもある。
家を出る前にカサをさす準備をしたり
手袋をはいたり(北海道では手袋は「はく」もの)
外から帰ってくるときも
鍵を開ける間雨風吹雪に曝されないし
お客さんや宅配の人が訪ねてきても屋内だから一息つける。
家の中に入る前にコートの水や雪をちょっと落としたり
荷物を一旦置いたりもできる。

玄関の「たたき」は「敢えて」ざらざらにした。
一旦セメントを平らにしてからハケでなでて細かいスジ目をつけたのだ。
工務店からはキレイなタイル敷にしましょうかと言われたのだが
親戚がマンションの玄関で2度もすべって転んで骨折しているので
靴底が濡れていても雪が付いていてもすべらないようにした。

扉はほとんど全部引き戸にした。
小さな家なのでドアの開け閉めに使う空間が惜しかったのだ。
戸は敷居の上をすべらせるのでなく
モノレールのように上から吊る仕組みなので開閉がラクで
敷居が無いので足やモノが引っかからない。
ただし
吊るしている滑車が壊れたときには修理が面倒ではある。

床は板敷にした。
おばあちゃんたちは「板敷は冷たい」と思い込んでいたが
「あらー、不思議だねー、冷たくないねー」と。
家を丸ごと断熱しているので床下も冷えないし
板材は触れても冷たく感じにくいミズナラにした。
樹種によって触れたときの冷たさは驚くほど違うのだ。
床暖房じゃないけど・冷たくなければそれでいい。

室内の壁と天井は白にした。
光を反射して室内が明るく見える。
特に階段部分は暗くなくてありがたい。
ただ、白いということは汚れも目立つということで
まあ、しょうがない。

これはイマイチだった

さてそこで
実際に住んでみて「こうすれば良かった」ということも。

トイレの照明の明るさを二段階にすればよかった。
昼間はいいのだが
夜中に起きた時には明るすぎてまぶしいし
照明を消したら今度は目がくらんでいて
暗い部屋の中を、そろそろと寝室に移動しなければならない。
小さな補助照明を付けるか否か。

腰板を付ければよかった。
腰板というのは、腰から下の高さで壁に付ける板のことだ。
腰から下の高さというのは結構、汚れやすいし傷もつきやすい。
わが家の内壁は白い和紙なので、気になる。
薄い板を貼ろうかしらん。

窓が大きすぎた。
とにかく室内を明るくと大きな窓にしたら
大きな窓はとてつもなく重くて
家自体にずいぶんな負荷をかけてしまっている。
その上、外の温度の影響を受けやすい。
夏は日光が入りすぎるし冬は窓から熱が逃げる。
窓を付け替えるなんて、かなり大変そうで、これは無理っぽい。

トイレと違って二つ欲しかったけど一つしかつけられなかったのが
出入り口。
玄関はあるのだが、裏口が無い。
ホントは裏口もつけて
非常の際にはどちらからでも脱出できるように
あるいは救助に入れるようにしたかった。
いや、非常の場合だけでなく
裏の窓を掃除するとか草取りをするとか
裏の出入りの動線が短くなって便利だったろうと思う。

家は三軒建てないと思い通りの家にはならないなどと言う。
使ってみないとわからないのは何でもそうだが
自分がどう生活したいのか
家族がどう変化するのか

幸せって何だろかと考えるところから始まる気がする。



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