見出し画像

五色の紐

コミュニケーション

お彼岸ですが
以前、テレビで善光寺の御開帳のにぎわいを見たときのこと。
興味を引かれたのが「善の綱」。
これは前立本尊と呼ばれる仏様の指に結び付けられた金の糸が
本堂でお参りする方々の頭上を通る五色の紐とつながって
それがさらに白い紐となって外の回向柱に結ばれていて
その回向柱に触ることで
堂内の前立本尊に触るのと同じ功徳が得られるという。
そういえば平安時代、藤原道長臨終の折
阿弥陀如来像の指に五色の糸を結び付け
それを自分の指とつないで極楽往生を願ったとか。

長い長いコードの先に尊いものを結び付けて縁を感じるというのは
面白いコミュニケーションのあり方だ。

希少な存在にたくさんの人が触れるにはどうすればいいのか?
間接的に触れることにすればいい!
と思いついた人はスゴイと思うが
様々なものに種々の関係性を感じるのが人間の感性なのだろう。

直接紐で結ばれていなくても
お祓いを受けたお札や
教えそのものや
祈りの言葉に
思いをはせて何かを感じ取れるのは人だからこそなのだ。

逆に
高貴な人の脈をとるのに直接触れては畏れ多いと
手首に紐を結び付けてその紐を医師が握って脈をとったとかいう
「紐脈」は、ホントの話だったのだろうか。

診察は科学なので、貴賤は関係ないのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?