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#52.ラッキーゾーンと引っ張らない犬に育てるコツ

こんにちは!
15年以上【犬の保育園】の先生を行っている尚ちゃん先生と申します。

今日は、お散歩についてのお話です!
皆さんのワンちゃんは、お散歩のとき、どこを歩きますか?

飼主さんの隣、前、後ろ?それとも左右をうろうろ?前後をうろうろ?

お散歩はトレーニングやしつけ相談で、飼主さんから尋ねられることが多いです。

色々なお悩みがありますが、私が飼主さんのお話を聞いて思うのは

「ああ、【犬はこうやって歩くもの】というイメージが先行してるなあ」

ということです。

これは特に、ワンちゃんを始めて飼われた飼主さんに多いです。

「お散歩のとき、犬は左側で、飼主より前に歩かせないほうがいいんですよね?」
「ツケ、の指示であるかせるんですよね」

と言われることが多いので、「なんで、そう思いますか?」と尋ねると

「え?だって、犬が人より前に出て歩くと、犬のほうが偉い、飼主を従えてると勘違いすると聞いたので」

という回答が返ってくることも、まだまだ少なくありません。

この都市伝説が、いつから【定番イメージ】となったかは定かではありませんが、よく考えると犬と人、2万年以上共に暮らしてきた歴史の中で、

【リード】をつけるようになったのはごく最近のころです。

確かに、状況や用途、職種によって、人より前後に行ってはならず、人の隣にぴったりと付いて歩かなくてはならない、という場合もあります。

警察犬、軍用犬、一部の狩猟犬、そして盲導犬などもそうですね。

ちなみに狩猟犬の場合、用途によって歩き方、動き方は変わり、それぞれに特徴があります。

スパニエル、コッカーと呼ばれる犬たちは、繁みの中を左右に大きく動きながら人より前に進み、水鳥や繁みの中にいる小動物、鳥たちを飛び立たせるのが仕事です。

ポインター、セッターたちは静かに人より前に進み、獲物を見つけると止まって「ポイント」や「セット」でその居場所をハンドラーに知らせるのがお仕事になります。


猟場でのポインターとセッターたち


ですので、必然的に前後左右に離れていきがちな行動を取りやすいです。

レトリーバーたちは、スパニエル、コッカー、ポインター、セッターが見つけた獲物を撃ち落とした後、ハンドラーの指示で回収し、人間のもとに持ち帰るのが仕事ですので、自分の仕事の出番以外はハンドラーの隣で、他の犬たちの仕事の邪魔にならないよう、ぴったりと寄り添って歩きます。

そのため、人と意思を合わせて隣で歩くことを容易に習慣化しやすい犬種とも言えます。

特に【純血種】と言われる子たちは、こうした生得的行動パターンが強く出ることが多々あります。

なので

【犬にリードをつけて外に散歩に出たら、自然と隣を歩いてくれる】ということはまずありません。


猟犬でないとしても、犬にとってリードは不自然で、自分の行動を制限するものの一つです。

そこに【圧力】が加われば更に、不快さを覚えてしまう原因にもなります。

とはいえ、車社会、地域密接、人口も犬の数も数百年前とは比べ物にならない現代において、犬自身の安全と社会の安全、ルールのためにリードは必須です。

年間、何十頭もの犬たちがリードが手から外れたり、首輪やハーネスが抜けて脱走し、車にはねられたり、迷子になっています。

リードをつけなくてはならないのであれば、

どのように歩くことが、犬と人との双方にとって良いのか?



服従訓練、いわゆるオビディエンスで【ツケ】は必須科目です。

これはぴったりとハンドラーの左の太ももに、犬が張り付いたように共に行動し、その位置をずらしては減点となります。

ですがこの「ツケ」の状態で日常のお散歩をしている子を見たことはありません。

これもまた、不自然な姿だと私は思うので、厳密な「ツケ」や「脚即行進」は自分のトレーニングでは基本的に行いません。

「つけ」の位置、人の左右の位置に来る、ということは教えることはありますけれどね!

特に家庭犬のしつけにおいて必須科目だとも思っていません。

私が犬の散歩において大切にしていることは、「ラッキーゾーン」の距離感です。



このラッキーゾーンというのは、「リードを付けていても、リードが張らない状態の距離」で、完全なる造語です。

飼主さんに、「犬は人の左側を、飼主の前に出ないように歩かせるんですよね」と言われたら、

私は「ラッキーゾーンの中で歩いてもらうようにしましょう。」と答えています。

リードが張らなければ、前だろうが、後ろだろうが、右だろうが、左だろうがかまいません。

ただ、人の前後左右を縦横無尽に歩かれると、リードが足に絡まって危ないので、右なら右、左なら左。

どうしても左右に行きたい場合にはいちどリードを持ち変えるようにします。

また、絡まり防止やリードの張りによる異常を犬に察知してもらうために、伸び縮する伸縮リードはまず使いません。

まるで、ラッキーゾーンにいる間は、リードは存在しないかのように。それを目標にしましょう、とお話をし、アドバイスをします。

リードが張ることない空間でお散歩をしていると、リードが張ったときには犬は「あれ?おかしいな」と異常を察知するようになります。

例えば犬はまっすぐ行きたいけど、私は右に曲がりたいとき。当然、曲がり角でリードが張りますよね。

ここで、犬を右に来させるために、リードを引くことが多いと思いますが、私はそれをしません。
犬はまっすぐ行きたい。
私は右に行きたい。さあどうする?

「つけ」の声もかけません。
リードが張ること=異常事態とわかっている犬は、私の顔をみて「え?こっち行かないの?」と聞きます。

「ううん、今日はこっち行きたいんだ、来てくれる?」と私は答えます。

この間、私は動かず、リードは私たち二人の意思の相違で張ったままです。

「仕方ないな~。まっすぐ行こうとしても、先生が動いてくれないんじゃ、右にいくよ」
「ありがと~!じゃあ右に行こうね」で、交渉成立です。

ここで大切なのは、

来てほしい方向に犬を引っ張るのではなく、犬の行きたい方向に私は動かない。


私の来てほしい方向にのみ、犬が動くことができるということです。

これを犬に自ら選ばせます。

犬は強制されているわけではなく、自分で選択しているわけです。

行きたい方向に行けない、というストレスは、私の方に来てくれた時にたくさん褒めて、なんなら来てくれたお礼におやつをあげることで軽減・解消されます。

もちろん、100%引っ張りがなくなる、ということではありません。

「あれは何だろう」「あちらに行きたい」「匂いをかぎたい」「逃げたい」という引きは、犬の意思の表れの行動です。

人の意思とは違う行動をすることが全てが悪い、問題だ、というように捉えるのは違うな、と思っています。

これを繰り返し繰り返し行うことで、【ラッキーゾーンで歩く快適さ】と【リードが張ったときの不快さ】が際立つようになります。

かなり引っ張りが強い子や、自由気まま、本能のままに行動している仔犬ちゃんたちは、まずこのラッキーゾーンで歩く快適さを教えていきます。

人の近くで歩くことの快適さ、リードが張らない、圧力がかからない場所で歩くことを教えていきます。

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