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【劇場まで行けない方へ】訪問演劇GIFTはアナタのもとに物語をお届けします!!

訪問演劇GIFTとは

「訪問演劇GIFT」という集団をご存じでしょうか?
訪問演劇GIFTは、埼玉を拠点におく慰問演劇のボランティア団体です。
初めてこの団体を知ったとき
「出張して演劇?そういう方法やお客様との関わり方もあるんだ!」と、思わず自分のアンテナが、ぴくんと動きました。

もともと私は都内の小劇場で、20年位役者として舞台に立った時期がありました。40歳を過ぎた頃行きづまり、ここ6年間は完全に演劇から遠ざかっていたのです。演劇をまだやり足りない自分と、以前と同じ感覚で演劇しても何が変わるの?と突っ込む自分もいて、宙ぶらりんの状態。

まさにそのタイミングでGIFTの活動を知り、すぐに参加申込を決めたのです。

さてGIFT一年目の私は、慰問演劇という未知なる体験をとても楽しみにしていたのですが、残念ながら、今年はコロナ禍で願いは叶わず。
予定していた介護施設での慰問も次々と中止や延期 。GIFTの活動も、実質半年以上の自粛期間を強いられました。

再スタートしたのは、昨年7月です。
そこから2020年後半のGIFTは、ぐんと活動の幅を広げ、コロナ禍でも、安心して楽しめる新企画にも挑戦しました。

もし介護施設や施設職員の方で、外部レクレーションやイベントにご興味ありましたら、訪問演劇GIFTという団体について、今後の活動についても、詳しくお伝えしたいので、ご紹介させてください。
訪問演劇GIFTは、皆さんの”観たい物語”を直接お届けして、生のお芝居を観て楽しんでいただく団体です。
何かお手伝いできることあれば、いつでもお声がけくださいね。

1.訪問演劇GIFTができた理由

訪問演劇GIFTは、2019年にレクレーション介護士である高橋敦子が、志ある数名のメンバーとともに旗揚げしました。
主宰の高橋が介護現場で働いて、まず感じていたことは、その”娯楽の少なさ”
施設のご利用者は、昔お元気だった頃、よく街まで出て演劇やコンサート、歌舞伎を観に行ったお話をされる方も多くいらっしゃいます。
でも「今じゃどこにも出かけられない…」と皆さんの嘆く声を聞くたびに、何とかならないものかとジレンマを感じていたそうです。

「だったら、100人でも、たった1人でも、観たい人のもとへ私たちが訪問して、皆さんに楽しんでもらえる”娯楽”を提供したい!」
そう思い、GIFTの起ち上げに乗り出しました。

もちろん、GIFTの他にも、慰問演劇するボランティア団体は各地域にいくつも存在します。ただ「水戸黄門」など、お馴染みの同じ作品を何度も繰り返し上演している団体がほとんどだそう。
ましてGIFTのように、その施設に取材して、オリジナル作品を書き下ろして公演する団体は全国でも珍しいのです。

GIFTの戯曲は全て高橋が手掛けています。レクレーション介護士の高橋だからこそ、その施設に向けたきめ細やか作品作りができると言えます。

2.コロナに負けない「訪問演劇GIFT」2020年の活動報告

(1)初めての映像撮影!朗読劇3本の収録

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昨年はコロナの影響もあり、世間でもオンラインや動画など、画面越しのツールが増え注目されましたよね。
今後はGIFTでも、社会のニーズに合った幅広い活動を行っていく予定です。

手はじめに、非対面・非接触で安全な点から、初めての「映像制作」に取り組むことにしました。もちろん、カメラの前で演じ映像におさめること自体、初めての試みです。

今回はテスト撮影でしたが、以下の朗読劇3本を収録。

芥川龍之介「蜘蛛の糸」
太宰治「待つ」
梶井基次郎「櫻の木の下には」

どの作品も、正直若者たちでも取っ付きにくいような、難解な名作ぞろい!
これは、高橋があえて高齢者にぶつけてみたいと思い選んだ、手ごわい演目ばかりなのです。

介護施設の中では、古い単行本を破れるまで読み返している方や、古典落語を聴いているご利用者も多くいらっしゃいます。
つまり、私たちより、ずっとずっと文学に慣れ親しんだ方が、現場にはたくさん居るということ。

気に入らない人が出ないように、誰でも分かる無難な内容だけを繰り返し見せられて、物足りない時間を過ごしている方も居られるのでは?
少人数ながら、そんな方々にまで想いを馳せながら、珠玉の作品を朗読してみました。
今回のテスト映像をもとに、さらに構想を練りつつ、今後は高齢者に向けたお楽しみ映像の制作にも取り組んでいく予定です。

(2)初めての舞台公演!市民演劇のつどいに参加

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市民演劇のつどい公演「STORIES~とある雑居ビルのカラスたち~」
10月24日(土)埼玉・鶴瀬コミュニティセンター・ホールにて(上演時間:50分)

ストーリーは、怪しい雑居ビルの怪しい住人たちが、カラス達にそれぞれ彼らの大事なものを奪われて巻き起こるお話です。
慌てて追いかけた先で、高い木によじ登った”認知症のお婆ちゃん”に遭遇。彼らが目にして思わず取った行動とは?その結末はいかに?!

毎年、地元の公民館が開催している「市民演劇のつどい」という企画に、一般の方向けの内容で初参加しました。
当日はソーシャルディスタンスに配慮し、劇場観覧は通常の4分の1以下。
また公演の様子もYoutubeで生配信されました。

実は、慰問演劇がメインのGIFTは、今回が初めての劇場公演!
しかも238席も収容可能な広々とした舞台での発表。慣れない暗転や照明、音響に戸惑いながら、初めて演じるメンバーも多かったです。

しかも本作は、GIFT初の「スラップスティック・コメディ」チャップリン映画のような、身体を張って笑いを誘う要素を盛り込んだ作品となりました。

初めて尽くしでスリル満載でしたが、本来の、生のお芝居をお客様の前で演じる幸せを嚙みしめながら、無事やり遂げることができました。

そして今回、東海大学社会学科の学生さん達が訪問演劇GiFTを取材してくださっています。稽古風景や本公演の様子をドキュメンタリー映像にに仕立ててくださいました。

(3)初めてのオリジナルドラマ!『高齢者向けリアル謎解きゲーム』映像制作

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ストーリーは、「トレジャーハンター紅団」という悪党3人組が、ある施設職員さんを連れ去って人質にとったというお話です。
助けてほしければ、施設のご利用者さんで力を合わせて、暗号をその場で解いてほしいという、ドラマ仕立てでお話が進んでいく<参加型脳トレ動画>になっています。
※レク動画と当日のご利用者の様子をまとめたものです
https://fb.watch/42tJbllmu1/ [15分10秒]

今回は、初の施設向けのドラマです。
顔をアップにして動きを少なめに、ご利用者への語りかけを重視した演出になっています。
役者もスタッフもほとんど映像経験ゼロ。演劇とはまるで勝手が違うなかで、試行錯誤しながらの撮影でした。

そして今年1月、埼玉県のデイサービスで晴れて上映会を行いました。

高橋から、当日鑑賞したご利用者の反応を聞くと、
1回目の上映会は、スタートから客席は大爆笑だったとのこと。
役者が画面越しから語りかけると、すぐご利用者が合いの手で「ちゃんと映ってんぞ」と言葉を返してくれたり。
特に男性の方が、最後までノリノリで観てくれたようです。

2回目の上映会は、キャストの悪党一味の、いかにも悪者そうな風貌やキャラクターにダメ出しが出てしまったとのこと。
1回目とは真逆で、反応は薄かったようですが、それでも真剣に最後まで観ていただき「楽しかった。作るの大変だったでしょう。お上手ね。」と温かい言葉をかけてくれたそうです。

3.【公演先募集】無料でオーダーメイド戯曲を!ご希望は全て詰め込んでお作りします

GIFTの一番の魅力は、観たい人の内容に合わせたスタイルで、その施設だけのオリジナル作品をお作りできることです!(しかも無料で!
例えば、以下のような作品はいかがでしょうか?

・昔なつかしい昭和初期の家族モノや戦争モノ
・少年ジャンプで読むような冒険モノ
・疲れた心を癒す心温まるモノ

他にも、恋愛モノやファンタジー、SF、ミステリーと…ジャンルは不問!
過去の作品では、戦時中の母親の葛藤を描いた物語「仏生き召しませ」も、昔の流行歌や軍歌を劇中で流して、施設向けに書き下ろしました。

この公演を録画したDVDがあるのですが、鑑賞中のご利用者たちの背中も一緒に映っていました。
お芝居に集中して観てくだっている後ろ姿です。
演者の語りかけるセリフ回しに、親切に答えてくださったり、なつかしい当時の流行歌で肩を揺らして、リズムを取って口ずさんだり。

演劇の素晴らしさは、派手な照明がなくても、大掛かりな舞台セットがなくても、ふだん生活している見慣れた部屋の一角が、一瞬で別空間にもなり、時間も飛び越え、あっという間にワープでき楽しめるところです。

また介護士である高橋は、介護レクレーションと演劇の関わりについても
「どんなに素晴らしい映画やドラマ、素晴らしい本という媒体があっても、認知症の方にとっては、耳元でしゃべって手を握ってあげることが一番沁み込む。
これは演劇ならできること!だから介護と演劇は、実はとても相性がいい」

と語っています。
GIFTの活動に少しでもご興味もたれた方は、ぜひお気軽にお問合せください。

訪問演劇GIFT公式ページ
https://www.facebook.com/watch/houmonengeki.gift/

なお、現在はまだコロナの影響もあり、外部からイベントを呼ぶのは厳しい方、テレビやスクリーンならお芝居やレク用DVDなど鑑賞したい方、そもそも遠方で慰問も難しい方であれば、映像作品で真摯にご対応いたします。

補足)映像作品の場合でも、料金はDVD代と送料以外は全て無料!お話を伺い、ご希望に合わせた<オリジナル作品>をお作りします。
※参考動画:上映会の映像とご利用者の様子をまとめたものです
https://fb.watch/42tJbllmu1/ [15分10秒]

4.まとめ

GIFT一年目の私は、演劇経験こそ長いものの、今までのボランティア活動はゼロ。どちらかと言えば、これまで地域社会と関わらずに生きてきた人間でした。
たまたまご縁あって、GIFTで活動するようになり、介護や福祉社会における演劇の役割は、思ったよりずっと力強いのかもしれない…と最近は感じずにはいられません。
GIFT本来の訪問演劇が一日でも早くできるよう願いながら
今年も、GIFTでならできる活動を
一緒に楽しみながら参加してきたいと思っています!

■訪問演劇GIFT公式ページ
https://www.facebook.com/watch/houmonengeki.gift/
気軽なご相談でもOKです!団体でのご依頼だけでなく、個人様のご依頼も受け付けています。

訪問演劇GIFTの紹介動画もありますので、よろしければご覧ください。
■訪問演劇GIFT紹介ページ[3分15秒]
https://fb.watch/3M41QIpCTm/

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