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真冬に電気とガスが止まって、それでもめげずに朝シャンをした女の子の話

電気、ガス、水道、これらの水光熱費で滞納が長引いてもなかなか止められないのはなんだと思いますか?


そうです、水道です。


私の実体験をお話しすると、電気、ガスは容赦ありません。

あと電話も。

感覚的に、止まるスピードは、電話、電気、ガスの順番。

電話は滞納すると午前0時に即座に止まりました。

電気も電話ほどじゃないけど早かった。

ガスはプロパンガスだったので、係の人が栓を閉めに来るのに多少タイムラグがありました。

なぜこんなことを知っているかというと…


私の家は経済的にジェットコースターのような家でした。

家族全員で毎年ハワイに行くような時期もあれば、借金取りに追われて居留守を使うような時期もありました。

その落差は富士急ハイランドのFUJIYAMA級…。

天と地の両極端を経験させてもらいました。

ジェットコースター



水道以外のライフラインは何度も止まっていたので、慣れっこになっていました。

さすがに水道は止まったことないです。

母親になんで水道は止まらないの?と聞いたら「水道は止めると命に関わるからなかなか止められないのよ」と返ってきて「なるほどな」と思いました。

だいたい私が中学生の頃から二十歳過ぎる頃まで頻繁に止まっていたので、そんなものだと思っていました。当時、このことで親を恨むとか、そういうことはなかったです。

ただ、電話が止まるのだけは猛烈に恥ずかしかった。

まだ携帯もない時代で、友達と家電で話すということが多かったので、いつなんどき「おかけになった番号は現在お客様の都合により通話ができなくなっています」を友達に聞かれてしまうのではないかとビクビクしていました。

学校から帰ってきて電気のひもを引っ張っても電気が付かないなんてことはしょっちゅうで、そうすると母の職場に電話してどうすればいいか指示を仰ぎました。

私「ママ、電気が付かないよ」
母「そうしたら早苗ちゃん、電気の所に電話して、来週支払うので電気通してくださいってお願いしてくれる?」
私「いいよ」


母から頼まれた私は、すぐに電力会社に電話して母に言われたとおりにお願いしました。

だから私はかなり早い段階から大人と話すこと(しかも言いにくい話で)会話をしなければならず、そのおかげで中学生の頃からしっかり敬語が話せるようになりました。


真冬に電気とガスが止まる

折しも時は90年代。一気に朝シャンが流行った時期でした。

真冬の寒い日。
思春期まっ盛りだった私はどうしても朝シャンがしたい。
でも電気とガスは止まっている。
お風呂場は窓がなく、電気が付かないので真っ暗。
かろうじて水は出る。
シャワーが異様に冷たい。
悩みながら裾を上げ、腕まくりをする。
意を決して頭を差し出す。
シャワーの一筋一筋が針金のように痛い。

しゃわー 

頭がもげるぅーーーー!!!!

あまりの痛さに終始心の中で「もげるー!もげるー!」と叫びながらシャンプーしてました。

しかもシャンプーはまったく泡立ちません。

それでもおしゃれ優先の私は根性で洗いきりました。

そのあと、すれ違いで朝シャンしに洗面所に入ってきた弟には

「頭もげるよ。気をつけて」

と教えてあげました。

あひる


今日のような寒い日は、朝顔を洗うときに冷たい水に触れると、ガスの止まった真冬に水で朝シャンしていたことを思い出します。


今は絶対無理だけど、あの根性の片鱗は今も私の中にちゃんとある。

そこが好き。

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