さなぎ

なにかの蛹。本と音楽とパンが好きです。

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ルビンの壺が割れた(著:宿野かほる)

『ルビンの壺』というものをご存じでしょうか。 ご無沙汰しております。本は読んでいるものの、感想というものを書く事からとんと離れておりました。 さて、話を戻しましょう。 『ルビンの壺』と言いますのはデンマークの心理学者であるエドガー・ルビンという方が考案されたひとつの絵と言いますか、多義図形の総称の事です。 この言葉には馴染みがなくとも、是非調べていただいてそこに出てきた絵図には「なんだ、これか。」と思われる方も多いかと思います。 簡単に説明しますと、二色に分かれた影絵

    • ストーリー・セラー(著:有川浩)

      「何かおすすめの本はありませんか?」 誰ともなく投げかけた問いに、答えてくれた人がいた。 それがこの本と私の出会いである。 題名を聞いただけでは、どんな本なのか見当もつかない。しかし、著者の名前には覚えがあった。 有川浩…ありかわひろ…、記憶の糸を手繰っていけば学生の時分に目にした事のある名だ。 代表作と言って差し支えないだろう、映画化もされ話題になった『図書館戦争』シリーズの方だと言えば、読んだことがある人もいるだろう。 随分前にはなるが、嵐の二宮和也が主演した

      • 明日の食卓(著:椰月美智子)

        「息子を殺したのは、私ですか?」 言葉の違和感に目を留めた。 私は月に、1、2度は欲しい本がなくても書店に足を運ぶ事にしている。その時読みたい本がなくても、読みたくなる本がそこにはあるかもしれないからだ。 帯に書かれたその言葉に、私は首を傾げた。 こんな言葉を使う機会が果たしてあるだろうか。 いや、まず無いだろう。この言葉の真意は恐らく物語の中にしかない。そう思うと、読まずにはいられないという気持ちになった。私はこの手の好奇心にめっぽう弱い。 前置きはさておき

        • さよなら、すべてのエヴァンゲリオン

          観劇1回目の雑感です。ネタバレを大いに含み、個人の感想である事をご了承ください。 なんだ?このポスターは。 ずっと楽しみにしていました。これからどうなるのか、どういう結末を迎えるのか。果たして監督はこの大きな大きな風呂敷をどうやって畳もうというのか。 先に公開されたポスターの中で『さよなら、すべてのエヴァンゲリオン』この一文とともに、子供たちは空を見上げています。白い砂浜と蒼い海と共に。 私がなんだ?と言ったのはその一言もさることながら白波立つ海についてですね。 ニ

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        ルビンの壺が割れた(著:宿野かほる)