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指す将順位戦9th自戦記 B級1組 1回戦 (vs ポール初段[1602])

指す将順位戦の季節がやってきた。B級1組が今期の舞台。
どうやらこのクラスだけ完全新規参加者がいないらしい。メタ読みが捗りそうだが私は新参者なので初手合いの相手ばかりだ。
このクラスを突破すると遂にA級区域に突入するが、B級の頂上でどこまで戦えるだろうか。

【追記】
対局相手のポールさんも本局の自戦記をお書きになりました。
一つの対局を双方の視点から眺められるのがTwitter棋戦の良さ、面白さであり醍醐味だと思っています。
以下にリンクを貼っておきますので是非ご覧ください

https://note.com/paul81/n/n76ad0cf4095d



【対局前】

◇対局相手の印象

振り飛車党
主に三間飛車を使っているイメージ。
対振りには居飛車側を持って戦うこともあるが振り飛車が主体とみて良いだろう。

棋譜は沢山あるが、ほぼ早指しの将棋だ。
逆に私は24ではほぼ15分60秒しか指さないのでその辺りがどう作用するか。ウォーズの10切れ段位と3切れ段位のように、早指ししかしないプレイヤーと長時間将棋しかしないプレイヤーのレートは同じ1,600でも本当に同等の棋力なのかは気になるところ。

指す順放送局#2 より

棋風チャートでは攻め棋風で定跡寄りのプレイヤーだと分析されている。
私もそのグループ内の、なんなら極北にいるので似た棋風なのだろうか?
せっかく作っていただいたものなので参考にしたい。


◇対戦成績

初手合い
初参加はなんと第1期という最古参メンバーの一人。
第1期の2016年なんてTwitterさえやってないからね。将棋も……戦法も何もわからずに触ってたかどうかぐらいの時期か。歴史を感じるね。
そして最後に参加したのは第6期でB級2組を11-0の全勝優勝で昇級。手強いな。

◇事前準備

あまり時間がとれないので対三間飛車に絞って考える。

 [▲先手番]

先手番の場合は加部流を採用。
攻め棋風同士、先に仕掛けてペースを握りたい。

想定局面①
女流タイトル戦でも現れた有力な仕掛け

 [△後手番]

後手番の作戦として今回は淡路システムに挑戦してみたい。
千日手を狙いつつ隙を見せたら仕掛ける作戦で、藤井猛九段が研究する気が起きない(千日手を受け入れて後手振り飛車になって良い)と評したことで有名で、本当に千日手になるならこちらとしても歓迎だ。

想定局面②
西田-長沼戦(20240202)より
第8期指す順が終わってから指された将棋で、機会があれば第9期で指してみたいと思っていた。


~対戦前まとめ~

対三間飛車を想定して、後手番では淡路システムで千日手を狙って先手番加部流に繋げるプラン。
三間飛車以外がきたら自然に指す。


【対局開始ッ!】

先手:paul0727(1602)
後手:SaisokuAmanogawa(1646)

(↓対局棋譜と振り返りは下記リンクからどうぞ!)
https://shogi.io/kifus/259365











◇急所の局面(65手目▲5八銀まで)

[基本図]

秒に追われて本譜△6六香で大幅に形勢を損ねてしまった局面。
主にここが感想戦で検討された。

paul0727 > 44桂とか考えてましたが

[基本図]以下 △4四桂 ▲3五角 △3六歩 ▲2四角

▲3五角に本譜▲5三角成とする筋が消えているのが△4四桂の効果の一つ。
同時に△3六歩から攻めも可能になっている。
最終手▲2四角にはいきなり△3七歩成と攻める手と△3四金と厚みを築く手がそれぞれ考えられ、どちらも良い勝負。

しかしソフトで検討してみると先手には好手順があった。

[基本図]以下 △4四桂 ▲1五歩 △同歩 ▲1二歩 △同香 ▲1一角

いきなり端から攻めるのが機敏で画像の局面は先手好調だ。
△4四桂がむしろ逃げ道を塞いでしまっている。

こうならないためにも、受け重視の△3一香も検討された。

[基本図]以下 △3一香 ▲3五角 △4四桂

[a図]

△3一香が効いていて▲1一角の筋はないように見えるが、これでも1筋から攻める手があるようだ。もう少し進めてみる。

[a図]以下 ▲1五歩 △同歩 ▲1四歩 △3六歩

結局▲1四歩の垂らしがあって厳しい。対して△3六歩と攻め合っても△1四同歩と応じても▲2六香が強力。
先手は▲2四角→▲6八角の空き王手龍取り、▲1五角、▲1三角打、▲2四香など攻めに困らない。

△3一香が壁になっており後手は玉頭戦で競り負けてしまう。

と考えると[基本図]から△5一香の方が良かったのではと考えるがそれには▲8四角打などと数を足されて単純に苦しい。

評価値の通り、[基本図]の時点で後手は劣勢になってしまっている。
なので後手の厳密な敗着は駒組み段階まで遡ることになり、40手目△4四角に代えて△4四銀右や△6四歩が代替案だ。

【対局後】

◇本局の振り返り

完敗
これまでの指す順、負けるにしても一度は良いところがあったものだが 本局は1回もなかった。
感想戦ではこちらの方が読めている手順もあったので絶望的なまでの差ではないかもしれないが、対局時の指し手は正確だったしこの負け方は棋力差を感じた。
これがB級1組のスタンダードだったら修羅の道になりそうだが、ポール初段の今後の成績にも注目したい。
本局は序盤から考える将棋になって、秒読みの中でバランスを崩してそのまま押しきられるという展開になってしまった。秒読み中の時間の使い方は本局だけではわからないのでもう少し続けてみて様子を見たいところだが、秒読み前はもう少し早く指して中盤に時間をかけられるようにした方が良いかもしれない(別に今回も無駄に浪費したつもりはないのだけれど)。

◇最後に

今回は対局から1週間で完成と、前回前々回と比べて早めに仕上げられたのは良かった(前回前々回が酷すぎた)。
今後も大体これくらいのペースで仕上げられればと思います。それじゃあ。


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