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【小説】守護霊のりおちゃん

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「まさかわたしが乳がんに?!」 大分県別府市に住む主婦の小百合には、普通の人間にはない能力が備わっていた。特定健診で右乳房に乳がんが見つかった小百合は、摘出手術を受けることに。…
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#別府温泉

鈴木さんを締め出したい!

「うっっわ、なんこれ?」 わたしは思わず大声をあげた。下腹部の左側に巨大なアザができてい…

大谷先生の豹変

令和5年12月25日。今年最後の診察である。わたしは鶴見にある「火売神社」にお参りしてい…

マイ・ホーム・グラウンド 競輪温泉

夫の運転する車の助手席にわたしは座った。自宅から競輪温泉までは、車で5分とかからない。温…

手術が済んだらハイ終了?

退院してから20日ほどで、バストバンドが外れた。外のお風呂に入る許可も同時におりた。 今…

恋は憂鬱

わたしと夫は、亀川駅前のラーメン屋にいた。 「ラーメンいっちゃん琴別府店」 元力士の琴別…

鬼が築いた石段の先に

国立別府病院は、別府市の北のはずれにある。病院の西側を小高い山が取り囲み、東側には別府湾…

のん気な女

その日わたしは、夫の修二と昼食を食べていた。「民芸茶屋・味蔵」という食事処である。別府市石垣東にある、地元の人気店だ。 夫は「とり天定食」を注文した。 とり天は大分の郷土料理である。唐揚げよりあっさりとして食べやすい。味蔵のとり天は山もり出てくるが、サクサクで軽いので意外にもペロッと食べられてしまう。 わたしは鯖の塩焼き定食にした。 大分県には関サバというブランド鯖がある。味蔵の定食で出されているサバは関サバではないが、ふつうのサイズよりも大きくて脂がのっている。