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絆の築き方

先日読んだ日経新聞で思わずうなるような文章に出会った。それぞれご紹介したい。いずれも火曜日掲載の「医療・健康」面。1本目の記事は「向き合う」というコラムに出ていた有馬靖子さんのことば。「きょうだい支援を広める会」の代表をなさっている。世の中には、障害を持つきょうだいを支える人たちがいる。そのような方々をサポートするグループだ。有馬さん自身も当事者である。

グループの活動を通じて有馬さんは、とあるきょうだいの声に出会っている。その方はきょうだいを日々支援する上で親子関係がカギを握ると思ったそうだ。有馬さんは家族間での支援や、ケアラーをサポートする上で、

「親子関係が良好であること。同じ立場の人と出会うことの大切さ」

を感じたと綴っている。人が悩みや苦しみに直面した際の突破口として、親子関係が大切である、というわけである。また、家族以外で同様の立場に置かれた人や経験者と話すことも、その人を救うことになる。

もう一本、印象的だった記事は、このnoteでも時々ご紹介してきた認知行動療法学者の大野裕先生。火曜日の「こころの健康学」は『聞き上手になる工夫』というタイトルであった。大野氏は以下のように述べている:

「私たちは相手から考えや行動を押しつけられると、反発するか逃げ出すか、どちらかの反応をとる。」

その理由として、人間は他者から強制されると自分のテリトリーに入られたと感じ、自己防御態勢になるからだという。

以上2名のことばから私が考えたこと。それは家族であれ他者であれ、絆を築くうえで大切なのは、「相互尊重」と「良好な関係を築こうとする双方の努力」である。これが欠けてしまうと誰かが我慢を強いられ、いびつなものになってしまうからだ。

大切なことばを新聞記事からもらった。

(2022年6月14日火曜日 日経新聞朝刊)

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