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選択肢

一昨日、BBC Worldを付けたら、トップニュースで訃報が流れていた。その方はDame Deborah Jamesさん。初めて目にするお名前だった。Dameとはイギリス勲位の一つで、男性ならKnight、女性にはDameが授与される。

デボラ・ジェームズさんは腸がんを患っており、享年40歳だったという。自らの闘病をpodcastなどで発信し、がんに対する啓蒙活動を積極的に行っていた。多くの人々が彼女の姿に勇気づけられた。

ニュースでは親交のあったBBCのプロデューサーが登場し、故人をしのんでいた。その中のことばが印象的だった:

"When you have options, you have hope."

デボラさんは様々な治療を果敢に受け、苦しい闘病中でも希望を抱き続けたという。

「選択肢がある限り、希望がある。」

この言葉が心に深く刻まれた。

日々の暮らしを続けていると、私たちは思いがけない困難にぶつかる。悔んだり悲しんだり立ち往生したりする。もう立ち直れないのではないかという気持ちすら沸いてしまう。

けれども選択肢はあるのだ。病気であれば別の治療法を、ということをデボラさんは実践した。一方、心の悲嘆や苦悩であれば、家族や友人に話す、専門家の意見を仰いでみる、書き出してみる、今いる場所から物理的に離れてみる、などが挙げられる。

一番自分を悲しめてしまうのは、「選択肢がある」はずなのに、「どうせやっても無駄」と諦めてしまうことなのだ。

これを書きながらもう一つ思い出した。バングラデシュで教育活動を続けている e-Education代表の三輪開人さん。こう述べていた:

「ピンチをチャンスに。
悲観は気分。
楽観は意志。」

悲観という選択肢は行き止まりにつながる。楽観という選択肢の先には無限の道が広がる。そう私は解釈した。

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