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やっぱり「人」

毎週火曜日に日経で連載される大野裕先生のエッセイ。先日は人との交流について書かれていた。久々に地方へ講演にいらした際のエピソードが綴られている。

最近はリモートで済ませられるようになったが、やはり対面のチカラは大きい。大野氏も会場で多くの人に会えたことが嬉しかったとのこと。

「『人薬』という言葉があるが、私たちは人と交流するとこころが元気になる。人と話すことで、自分の存在を確認できる。他の人たちから受け入れられていると感じたり、認められていると思えたりすることで、自分の存在意義を感じる。」

このように述べておられた。さらに対面の良さには以下があるとのこと:

*人と話す=思い込みから自由になれる
*新しい世界が目に入ると、新たな発想が与えられる
*久しぶりに人と会えると笑顔になれる。すると自分の心が明るくなる

SNSが発達し、悩み相談などもオンラインでできるようになった。苦しい胸の内を文字に書き起こすのも一つの方法だ。日記を書くのもそうだし、友人や相談機関に活字で気持ちを吐露するのも次につながる。

でも、相手の反応を見ながら、同じ空気を吸いながら、その場で時間と空間を共有することは、何か見えない「気」が流れるような気がする。それが人を元気にさせてくれるのではないだろうか。

化学配合された薬も助けになる。と同時に、信頼できる人との交流が、人を救うとも思うのだ。

(日本経済新聞2022年6月28日火曜日朝刊)

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