【セルフライナーノーツ】真夜中の行進
なんとか無事にサナダヒデトの6枚目のアルバム「deeper deeper deeper」を発売することが出来ました。
ということで今回のアルバムもnoteの自分のアカウントでセルフライナーノーツを書いていこうと思います。
最初は一曲目に収録されている「真夜中の行進」について書いていこうと思うけど、これはコロナ禍の最初の方にレコーディングに取りかかった曲なのでかなり記憶を辿らないといけない。
この曲のデモ版を音源としてリリースしたのは2020年の12月19日となっている。
自分で家でレコーディングするのは久しぶりだったのでレコーディングの作業工程を思い出しながらの作業でした。
なので本当にかなり長い時間をかけたので実際には12月よりだいぶ前からレコーディングは始まってました。
当時は「コロナ禍」だなんてそんな言葉ももう出来上がってたのか定かでないけど、なんにせよ今までと違う動き方をしないと(当時の感覚で言えば動かな方とも言えるかもしれないw)いけないよなーと朧気ながら感じていて、最初に何をしようかで頭にパッと浮かんだのがこの曲でした。
まず理由として上がるのがアレンジが最初から最後まで美しい流れとして頭の中に浮かんだこと。
パッと思い浮かぶということは今の自分の年齢になるとなかなかないものです。
厳密に言うなら「パッと思いついたけど、自分で重ねた推敲に耐えうるものが残ること」がなかなかありません。
何かを思いついてもあれやこれや自分で自分に文句を言ってる間に形を変えたり曲そのもの自体がなくなってしまう。
(客観的に見たら嫌な大人だなーw)
そんなアレンジですが、
(サビ以外のいわゆるAメロみたいな部分はのんびりしてるのになんか分厚い)
逆に
(サビは轟音が鳴り響いてるのになんかフワフワ質量がない感じ)
というのがなんとなく頭の中にあって、それを探していく作業でした。
Aメロを基本リフに添いつつなるべくヘビーに、サビは轟音のギターでベース、ドラムで包みながらなるべく軽くみたいなのを何度も何度も繰り返して今のアレンジになりました。
二番のサビは繰り返し部分から更にその傾向を強めてみたりして。
なんか激しくなっていってるはずだけど、なんでかさらにフワフワ軽くなってしまうどうして?っていう音にしたくて。
「裸のままの宇宙飛行士」だから仕方ないですね。
みんな大好きな人の前だと宇宙飛行士みたいにフワフワしちゃうでしょ?
この曲を書いたのはレコーディングよりもさらに数年前でちょうどこの曲を書いた当時は大阪の西天満にあるライブハウスによく出演させてもらってました。
最高のライブをした後に興奮を持て余して夜の街を歩き回ったものです。(そんな時代が俺にもあったw)
なのでこの曲は大阪の天神橋筋商店街のロケーションをイメージして書きました。
とても長い商店街です。
昼はとても賑やかなのに夜はとても静かでなんだか迷い込んではいけない場所に踏み入れたような気持ちになります。
そして夜の散歩にちょうど良いくらいに長いw
もしかして「僕」と「君」は南森町あたりに宿でもとっているのでしようか。
ちゃんと疲れ果ててしまう前に辿り着けるといいですね。
あの夜の行き場のない興奮や情熱はようやく「deeper deeper deeper」というアルバムに着地してくれました。
ライブハウスでずっと育ってきた自分ですが、今のライブハウスで鳴ってるバンド主体の音楽とはまた違った(もちろんそっちはそっちで好きやでー)、音楽のための音楽が詰まったアルバムです。
聴いていただけて、なにか分け合える感情があるならそんなに嬉しいことはありません。
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