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推しが尊いから養うのはファンタジー世界でやるのが安全かも

なんだか小難しい古典文学を、よく礼賛しているけど、漫画やアニメといったサブカルも好きだ。
イワン・カラマーゾフ推しだし、アニメ「ゴールデンカムイ」の二瓶鉄造にも萌える。

このような、ファンタジー世界の住人を「尊い」という感覚は現代に限ったことではなくて「更級日記」の前半戦は「源氏物語」ヲタになった菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)の逸話だらけで、現代の女オタク道の在り方に通じる。
まあ、彼女も晩年は仏教という「全てがファンタジー」というファンタジーに傾倒すんだけどね。

さて、現代では、ファンタジー世界を愛する人々は「ヲタ」と呼ばれているのであるが、様々なジャンルがあり、例えば、結構誤った解釈がされている「腐女子」はBL(ボーイズラブ)を嗜む女オタクで、キャラクターを恋愛対象と見るのは夢女子。
という具合に女性のアニメヲタに限定しても、多様な生態系がある。

もちろんヲタによる消費活動は、例えばアニメで言えば、キャラクターグッズやBlu-rayの購入。ライブや聖地巡礼などが考えられ、こうした行為がさらなる創作に結びつくことから「養う」と言われたりもする。

実際、生々しい話、この巨大なマーケットでは、計り知れない額のお金が動き、それで収入を得て、現実の暮らしをする人々もいる。だから間接的な意味でも「養われている」人々は多い。

ところで、さきほど挙げたように、仏教によると、この現実世界ですら「ある種のファンタジー」で、それは間違ってはいないんだけど、それでも文学やサブカルの中にある世界と現実世界には一線はある。
現実世界では人間は老いるし腹も減る。人を殺せば罪に問われる。そういうことだ。

一方で、ファンタジー世界も現実世界をベースに作られているわけだから、ちょっとおかしな話だけど、ファンタジー世界で起きたような出来事を現実世界で擬似体験することができる。
特にお金があれば、かなりのことが可能で、ディズニーランドから壁ドンまで、既存のアトラクションは多い。

僕は、ファンタジー世界の存在を、ファンタジー世界の存在のままに楽しむ分は、特に問題はないと思うのだけど、それを現実社会の人間などに置き換えて、楽しむ行為には慎みが必要だと考えている。

例えばAVというファンタジー。お金を使えば風俗で好きなことができると思うけど、現実世界でフツーに恋愛した方が良いとは思うんだよね。翻って風俗業の人々に、ファンタジーを求めるのは微妙な気がする。まあ、風俗業の人々にとってはお客さんのファンタジーを叶えることで収入になれば、それで良いのかもしれないけど。

水商売も似たような感じかな。お金の力で妄想の「推し」を誰かに当てはめて「養う」よりも、リアルな目の前の人を「その人はその人として」接していく。そういう姿勢ね。

それにしても、なんだか面倒臭事考えてるなぁ。
まあ、夜の街をほっつき歩くと、ややこしいこと考えたくなるのよ。




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