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悩みはレッスン

恥の多い生涯を送ってきましたが、結核で入院したこともある。因みに肺炎で入院したことは二回ある。生まれた地域や時代が違えば、とっくに死んでただろう。
僕の結核は引っ込み思案で、肺じゃなくて腹部のリンパ節や脊髄、心臓なんかに病巣ができた。なので感染しないから隔離されはしなかった。
にも関わらず、保健所は「伝染病だから」ということで、当時僕がやっていた銀座の店の前に、レントゲンのバスを停めて、ホステスもスタッフも全員胸部レントゲンを撮るという措置を発動。なんだか非合理的な話だ。

そのくらい酷い結核にかかると、結核菌は完全に排除できないらしい。免疫力が結核菌の増殖を抑え込んでいるから発症しないだけで、低下すれば再発する。こういうのは水疱瘡なんかだってそうだ。疲れて帯状疱疹出るのは、昔の水疱瘡ウイルスが活発化するからだ。

なので、僕は特に、免疫力を高めておかなければ、外側からやってくるコビットちゃんじゃなくても、内側に飼っているテーベーちゃんに殺られる。
そう思うから、睡眠と栄養が確保ができて、ストレスがあんまりないような仕事をするようにしている。
多くの恥を経たおかげで、コミュ力は高い=恥知らずだから、責任のあるポジションの打診がくることもあるが、全部却下してるのは、病気になりたくないからだ。

断るのが面倒くさいオファーが来ないように、もう少々無愛想に振る舞えば良いのだが、他人とギスギスした関係なのにもストレスが溜まる性分だから、それができない。
自分の病弱さを説明しても、見た目頑強そうだし、山とかバンバン登っててアクティブな人間に見えるから、全然信じてもらえない。

そういえば、今日のニュースで「どうやってマスクを手に入れてますか?」というインタビューがあって、パチ屋の景品にマスクがあるから「打ちに行ってます」と答えた人がいた。これも信じて貰えないだろうな。

そもそも人がワチャワチャいる所に感染リスクがある訳だし、誰が触ったかわからんハンドル握って、タバコでも吸えば、その手は口元に行くわけで、パチンコ=濃厚接触となるのだ。例えそれでマスクを手に入れても、どう考えても割に合わないよね。

しかし、そのオジサンは、彼なりに考えて、彼にとっては合理的にマスクを手に入れるわけだ。ニュースの片方では、マスク購入の列に割り込んだ者を威嚇してオラオラやってる映像が流れており、そういう場面に遭遇するリスクを考えたりすれば、パチ屋のマスクも悪くはない。

人には人の合理性があって、それは他人から見れば非合理なものかもしれない。まあでもねぇ。悩ましいんだわ色々と。

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