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Simple is Better

大分での修行開始から一年が過ぎて、得た知識と経験を元に事業化する段階になった。僕としては、登山や釣りをしながら修行をしばらく継続で良いのだけど、経営陣は早う形にしたいわなぁ。
それでPLを作ることになった。風邪薬ではない。経理とかかじった人ならご承知の「Profit & Loss」日本語で言うところの「損益計算書」というヤツだ。

「いちいちそんなことを説明するくらいなら、最初から『損益計算書』でええだろう!横文字使いたがるバカがいるんだよ。ガバナンスとかデューデリとか。やっちまったなぁ。コンサル厨二病」

なんて言われるかもしれない。厨二病なのは否定しないが、僕が敢えてPLというのは、それが怪しいモノだからだ。

結果が出て納税って段階の損益計算書ならともかく、事業立ち上げ段階での見込みの数字なんてのは、だいたい「捕らぬ狸の皮算用」だし、儲かるように書くのは当たり前。
しかも、経営者なら銀行とか、僕の場合経営陣との駆け引きの材料という側面がある。だから提出する相手や自分の立ち位置に合わせて数字が変わるのだ。

例えば、僕自身の給料をいくらに設定するか?
安く設定すれば、単純に喜ぶ経営者もいれば、侮る人もいる、不安になる可能性だってある。
他に働く人とのバランスもあるし、支出における割合や、税金その他様々な要素を加味しつつ、落とし所に上手くハマる数字を見つけなくてはならない。

もちろん人件費以外の経費項目も、見積もりの仕方で見識が問われるわけで、ザックリ作ってからの細かい調整まで、とにかく数字をいじくり回す。
そんなものは「怪しいモノ」だから横文字。
というマイルールなのです。

じゃあ、このような机上の空論を作るのに、全く実用性がないかと言えば、そういう訳でもなくて、収益を考えるに当たって、業務に必要な時間やコストを測るだけでなく、業務を細かく分解して考えることにより、手順や指示系統、注意点などの組織作りに欠かせない要素も見えてくる。
だから、出来上がったPLよりも、それを作る過程で考えることに意味がある。

あんまり細かい打算はせずに、シンプルな数字で作った方が良いのかなぁ。と考えたりもする。それなら、自分の生み出すモノを「怪しいモノ」と自嘲せずに済む。
しかしそれは僕にとっては、ベターなモノであってもベストではない。

あっ!横文字使っちゃったよ。

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