見出し画像

バースデー登山。祖母山メンノツラコース2020/02/01

誕生日がおめでたい理由も年齢とともに変わるもので、僕くらいの年齢では、健やかな成長でもなく、長寿でもなく、ビミョーに中途半端なんだけど、せっかくの節目ではあるので、祝うに越したことはない。そして休日で天気も良さそうであれば、それはもう「山登り」の他はない。

そうは言っても、毎週登ってるのだから「お祝い感」を出すなら、特別な山登りをしなくてはならない。あれこれ考えて、特別なコースを選択した。
それが、祖母山メンノツラコース。
メンノツラとは地面に顔がつくくらいの急坂という意味らしい。しかも、破線ルート。

破線ルートとは登山地図で、実線ではなく点線で結ばれているルートのことで、要するに難しいルートなのだ。メンノツラコースは沢沿いの登山道で、そうであれば、岩に水が流れてる訳だから「踏み跡」がつかないから迷う確率も高い。

山で道に迷った時の鉄則が二つある。
その一「下らずに登れ」これは山が三角形として、頂点の方が面積が狭いから、登れば必ず山頂に辿り着く。逆に下れば何処に出るかわからないし、出た先に道がある保証もない。加えて山頂まで行けば登山道がある可能性が高い。
そのニ「沢は越えろ」山にはだいたい滝がある。沢沿いに歩くとほぼ確実に滝にぶち当たる。つまりは行き止まるということだ。

コースタイムなどを詳細に検討すると驚くべきことも分かった。スタート地点からの単純標高差1300m。これ、丹沢の塔ノ岳以上で、富士山新五合目から登頂するのとあんまし変わらない。しかし塔ノ岳も富士山も道は良くて、沢なんか登らない。

幸い祖母山の九合目には、良い避難小屋があって、宿泊可能しかも今の時期はタダ。というのをこの目で確認してるから「最悪泊まるかぁ」と晩飯とお泊りセットを持参することにした。

7:30健男霜凝日子神社到着。色々調べたけど、この神様がどういう神様かわからん。準備万端なのですぐ出発する。

百名山かぁ。全て登るのは経済的に無理です。

林道の分岐がいくつかありますが、道標があるから大丈夫です。

一応、八丁越まで、車でこれるのですが、こちらに降りない予定なので、神社に車停めてます。

メンノツラ谷に続く林道は砂利道で、パジェロミニとかなら通れなくもなさそうですが。

無理ね。ここ以外にも崩れとる所もありました。

メンノツラ谷到着。開かずの登山届ボックスとの情報でしたが、開きました。逆に閉めるのが一苦労。テープが張っつかず。

早速渡渉です。

はじまりました。メンノツラコース。ここまで来るのに標準タイム120分のところを70分。道が良くて緩やかな登りは得意です。

ここからはじまってます。破線ルート。

結局途中の道標らしきものはこれだけでした。

とにかく何度も沢を渡ります。水がこのくらいなら楽しいけど、今は渇水期だしなぁ。

木や岩を乗り越えて進みます。もう一人いれば「ファイト一発」ごっこができる場所が次々と出現。

あ渇水期でも、水量はそこそこありまして、もちろんめちゃくちゃ綺麗。汗もかくから、テキトーに川の水飲みながら歩きます。こんなんで腹壊すほどヤワな体ではありません。

ここらへんは、まだまだ元気一杯。アドレナリンも出まくってます。

ピンクのリボンを探しながら歩くのですが「えっ!あそこ行くの。どうやって?」回答は分かってても式が分からないパターン。

岩の隙間に身を滑り込ませてパスすることも。

これぞメンノツラ。地面に顔がつくようなロープ場もあります。滝出現すると、少し沢を外れこのようになる。

だいたい。これをずっと登るわけです。アスレチックてんこ盛りで、心肺機能より筋力勝負。

氷瀑まではいかない。暖冬だもんなぁ。
氷瀑ってこんな感じで上と下でできていって最後につながるんだろうね。

氷柱の上の方の滝です。写真取るために、コースを外れました。コースに戻るのに下るのも大変なので、谷の絶壁をカニ歩きで、横切ってコース復帰。

なんか稜線ぽいのがみえました。おそらく小松尾根です。祖母山山頂はあの尾根伝いです。稜線上に出るための最後のひと登り。

出ました!ここからは沢ではなく尾根歩き。

最初は粉雪が薄っすらの緩斜面。

登るにつれて雪山に。そしてめっちゃ急。マーキングがメンノツラほどなくて、こっちの方がルートファインディング能力必要かも。

実線登山道に出ました。ここから山頂まで30分かからないはず。

霧氷は上の方だと大きいですな。

最初の貯金が効いて、スタートから四時間半で登りきれました。避難小屋に泊まる必要なさそうだ。

まだ元気なのですが、

元気なうちにエネルギー補給。ホントに疲れると食欲なくなりますし。足もまだ残っているので、下山は小松尾根を下り、神掛岩の方に出て、五合目小屋から神原に。小松尾根は急坂だけど、そんなに痩せた尾根ではないから、大丈夫でしょ。

「下りはじめると晴れてくる」登山あるある。

小松尾根。序盤通った所は、急な下りだけど、フツーの体勢で降りれましたが、メンノツラ方面への分岐を越えて、未知の領域に入ると、絶壁とロープ場が次々と現れまして。

絶壁。岩の隙間をロープで降りたり。
アドベンチャー定食大盛りを食べて、まだ、おかずが余ってたから「ご飯茶碗半分」って注文したつもりが、大盛りご飯がきてしまう。そんな心境。

予想外の難路に苦しみましたがなんとか以前きた場所まで出ました。神掛岩に寄る時間なし。

ここのヒメシャラ樹林帯は幻想的なんだよね。

さあ五合目小屋は目の前。

いつもの駐車場。意外にまだ登ってる人いるんだなぁ。でも今日の僕はここがゴールではありません。

鹿!メンノツラでは声すれど姿は見せずでしたが、こんなにも下の方でファーストコンタクト。

駐車場脇の階段おりますと。

一合目の滝。夏なら泳ぎたい。

車道を三キロばかし歩きます。アスファルトが膝に来るなぁ。

本日の安全の感謝をしました。お名前まがっとるのでなおしたいんだけど。

駐車場お借りした神社の下社だから挨拶しないといかんね。

まだ登るんかい。厳しい神様だな。まあ神ってそんなもんだ。

なかなか雰囲気ある神社でした。疲れがちょっと飛びました。この神様はきっと健脚だろうかと。

ゴール!長かった!

消費カロリーを見よ!

今日は誕生日だから奮発して、竹田で有名なからあげでたんぱく質補充。

五臓六腑に沁みるわぁ。

バースデー登山に相応しいアドベンチャーでした。
沢をあんだけ登ったのも初体験で、しかも誰も人がいないという。ここは間違いなく中級者以上向けで、水量増えたら一人はマズい。でも夏にまた来たいなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?